品川区スポーツ推進計画 令和3(2021)年度〜令和12(2030)年度 スポーツの力でつなぐ みんなの笑顔が輝くまち しながわ 令和3年4月 品川区スポーツ推進計画の策定にあたって 品川区では、平成19(2007)年に制定した「品川区文化芸術・スポーツのまちづくり条例」および平成22(2010)年に策定した「品川区文化芸術・スポーツ振興ビジョン」に基づき、スポーツの振興を地域のにぎわいにつなげるため、さまざまなスポーツ施策を進めてきました。 これまでの取り組みを継承しつつ、令和3(2021)年に開催を予定する東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会など、この間のスポーツを取り巻く社会経済状況の変化を踏まえるとともに、令和2(2020)年度に新たに策定した品川区長期基本計画に定める施策との整合を図り、区民のスポーツ活動をより一層推進するため、令和3(2021)年度から令和12(2030)年度までの10年間を計画期間とする品川区スポーツ推進計画を策定しました。 この計画は、これまで進めてきた区のスポーツ施策を体系的に整理するとともに、「する」スポーツだけでなく、「みる」「ささえる」スポーツなどの視点も加え、スポーツの力を活かした新たな取り組みを行うことにより、区民のスポーツライフをより充実したものにすることを目的としております。 この計画に定める4つの基本目標を達成するための施策を一つひとつ着実に実行していくことで、計画の基本理念である「スポーツでつなぐ みんなの笑顔が輝くまち しながわ」を実現できるよう、区民の皆さまをはじめ、地域スポーツクラブや品川区スポーツ推進委員など、さまざまなスポーツ関係団体とも連携・協力を図りながら、区のスポーツ施策をより一層推進してまいります。 引き続き、区民の皆さまのご理解とご協力を心からお願い申し上げます。 令和3年4月 品川区長 濱野 健 目 次 第1章 計画の策定にあたって 1ページ 1.策定の背景と趣旨 2ページ (1)計画の目的 2ページ (2)スポーツを取り巻く社会経済状況の変化 4ページ (3)スポーツに関する国や東京都の政策動向および区の取り組み 6ページ (4)品川区の地域スポーツに関するあゆみ 9ページ 2.計画の位置付け 11ページ 3.計画の期間 12ページ 4.本計画におけるスポーツ 13ページ (1)スポーツの価値や可能性 13ページ (2)本計画におけるスポーツの定義と障害者スポーツの考え方 14ページ 第2章 品川区のスポーツを取り巻く現状と課題 15ページ 1.区の人口動向 16ページ 2.区民のスポーツ活動に関する現状 17ページ 3.区のスポーツに関する課題 38ページ 第3章 計画の基本的な考え方 41ページ 1.基本理念 42ページ 2.基本目標 43ページ 3.数値目標 45ページ 4.施策体系 46ページ 第4章 施策の展開 49ページ 基本目標1 誰もがスポーツに親しめる機会づくり 50ページ (1)子どものスポーツの推進 50ページ (2)働き盛り世代・子育て世代のスポーツの推進 54ページ (3)高齢者のスポーツの推進 57ページ (4)障害者のスポーツの推進 60ページ (5)すべての区民に対するスポーツの推進 63ページ 基本目標2 気軽にスポーツを楽しめる環境づくり 65ページ (1)スポーツ施設の適正管理 65ページ (2)公共施設の有効活用 67ページ (3)スポーツに関する情報発信 69ページ 基本目標3 区民のスポーツ活動を拡げる担い手づくり 71ページ (1)スポーツ活動団体の自立支援の推進 71ページ (2)地域スポーツの人材育成と活用 73ページ (3)スポーツ支援団体等や民間企業等との連携 75ページ 基本目標4 新たな時代を笑顔でつなぐ スポーツの推進 77ページ (1)スポーツライフの充実に向けた支援 77ページ (2)スポーツの力による交流やにぎわいの創出 79ページ 第5章 計画の推進 81ページ 1.推進体制 82ページ 2.進行管理 83ページ 参考資料 85ページ 1.品川区スポーツ推進計画策定委員会 86ページ 2.用語解説 88ページ 3.アンケート調査の概要 90ページ (p.1) 第1章 計画の策定にあたって 本文中において、特に解説が必要な語句等は、末尾に「*」を付していますので、用語解説ページを参照してください。 (p.2) 1.策定の背景と趣旨 (1)計画の目的 区では、平成19(2007)年に制定した「品川区文化芸術・スポーツのまちづくり条例」、平成22(2010)年に策定した「品川区文化芸術・スポーツ振興ビジョン」で示す考え方や指針に基づき、地域スポーツの振興を進めてきました。 区民が身近な場所でスポーツに親しめる機会づくりや環境づくりを進めるにあたっては、公益財団法人品川区スポーツ協会、コミュニティスポーツ・レクリエーション活動推進委員会から発展的に統合した地域スポーツクラブ、品川区スポーツ推進委員などと連携し、地域の実情や区民の自主性を重視した取り組みを展開してきています。 この間、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下「東京2020大会」という。)の開催決定をはじめ、超長寿社会の到来、共生社会の実現に向けた動向、ICT(情報通信技術)*などの技術革新の進展、国連サミットによるSDGs(持続可能な開発目標)*の採択、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)など、社会経済状況は大きく変化しており、区民の生活や価値観にも大きな影響を与えています。 一方、スポーツに関する国や東京都の政策動向をみると、スポーツ基本法の制定、スポーツ庁の設置、第2期スポーツ基本計画および東京都スポーツ推進総合計画の策定など、社会経済状況の変化に応じた政策が進められており、区においても体系的かつ計画的にスポーツ施策を推進することが必要となっています。 品川区は、平成20(2008)年4月に策定した「品川区基本構想」に掲げる区の将来像「輝く笑顔 住み続けたいまち しながわ」のさらなる実現に向け、令和2(2020)年度から令和11(2029)年度までを計画期間とする、新しい「品川区長期基本計画」を令和2(2020)年4月に策定しました。この計画は、目標年次である令和11(2029)年までに想定される課題の解決やその後の品川区の未来を見据え、次に掲げる「未来につなぐ4つの視点」を踏まえて策定しています。 「未来につなぐ4つの視点」 @超長寿社会に対応する視点 A多文化・多様な生き方を尊重する視点 B強靱で魅力あるまちを未来につなぐ視点 C先端技術を活用して課題解決と発展を図る視点 また、「未来につなぐ4つの視点」と世論調査等から浮かび上がる区民ニーズに基づき、取り組むべき施策を分かりやすく示すため、次に掲げる「地域」「人」「安全」の3つの政策分野で構成する計画体系としています。 (p.3) 「地域」「人」「安全」の3つの政策分野 @「地域 にぎわい 活力」(コミュニティの活性化でにぎわいと活力のあるまちに) A「人 すこやか 共生」(多様な生き方を認め合い誰もがすこやかに暮らせるまちに) B「安全 あんしん 持続」(まちの安全を強固なものにし住みよいまちに) この計画において、スポーツの施策は主として「地域 にぎわい 活力」の政策分野に位置付けられ、政策の柱2「学びとスポーツの楽しさが拡がる環境づくり」の中で、年齢や障害等の有無にかかわらずスポーツが行えるしくみづくり、「する」スポーツに加えて「みる」スポーツの充実もめざした施設の整備、スポーツを行いやすい環境づくりを進めるためICTなどの先端技術も活用した環境整備などを進めることとしています。 また、「地域 にぎわい 活力」の他の政策の柱や「人 すこやか 共生」、「安全 あんしん 持続」の政策分野も含め、スポーツの施策を観光、健康増進、介護予防、障害者福祉、学校教育などに関連するものとして幅広く捉え、区民のスポーツ活動を推進していくこととします。 以上のような背景を受け、区では、これまで進めてきた地域の実情や区民の自主性を重視した取り組みを大切にしつつ、今後も変化を続けると予想される社会経済状況やスポーツ政策動向を踏まえたスポーツ施策を体系的に推進するとともに、「品川区長期基本計画」に定める施策の実施を通じて「品川区基本構想」に掲げる区の将来像「輝く笑顔 住み続けたいまち しながわ」の実現をめざして、「品川区スポーツ推進計画」を策定することとしました。 (p.4) (2)スポーツを取り巻く社会経済状況の変化 スポーツを取り巻く状況は大きく変化しており、今後もさらなる変化が予想されます。このような将来に対応するため、社会経済状況の変化を的確に捉え、区民のスポーツの推進を着実に進めていくことが求められます。 @すべての人が元気に活躍し続け、安心して暮らす超長寿社会へ 「今後多くの人が100年生きることが当たり前になる時代が来る」と海外の研究で提唱されたことを受け、国は平成29(2017)年に「人生100年時代構想会議*」を設置して、将来に向けた経済や社会のシステムの整備を進めています。 こうした超長寿社会では、すべての人が元気に活躍し続けられ、安心して暮らすことができる社会づくりを推進する必要があり、スポーツは健康づくりや生きがいづくりに寄与する活動として期待されています。 A誰もがお互いに尊重し合い、活躍できる共生社会の実現 「共生社会」とは、これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、積極的に参加・貢献していくことができる社会です。 これからは、スポーツに親しむことのできる場においても、性別、年齢、障害の有無などにかかわらず、一人ひとりの個性や人権が尊重され、すべての人が自分らしく能力を発揮できる豊かな共生社会の実現を図ることが重要です。 B東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーの継承 令和2(2020)年に開催が予定されていた東京2020大会は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、令和3(2021)年に延期となりましたが、安全・安心に大会を開催できるよう検討が進められています。 東京2020大会を契機として、スポーツは人間の心身の両面に影響を与える世界共通の文化であることを再認識し、このスポーツ文化の醸成を図るとともに、都市型観光の推進や文化の発信などの取り組みの中で得られた有形無形のさまざまな財産をレガシーとして継承し、地域の活性化につなげていくことが重要です。 CICTなどの技術革新の進展 ICT、AI(人工知能)*、IoT(モノのインターネット)*、ロボット、ビッグデータなどの技術開発が急速に進展しています。 これらの技術は、新しい産業の創出・発展や企業の生産性向上のみならず、人々の働き方やライフスタイル、健康管理、教育など、区民生活に関わるあらゆる分野での活用が期待されています。スポーツ分野においても、多様な楽しみ方の創出が期待できます。 (p.5) D国連サミットにおけるSDGs(持続可能な開発目標)の採択 平成27(2015)年9月の国連サミットにおいて、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)が採択されました。これは、令和12(2030)年を年限とする開発目標であり、先進国を含む国際社会共通の目標です。SDGsは持続可能な世界を実現するための17の目標(ゴール)から構成され、「誰一人取り残さない」社会の実現をめざし、経済・社会・環境をめぐる広範囲な課題に対する総合的な取り組みが示されています。スポーツ庁は、このSDGsの達成にスポーツで貢献しようと努めています。 また、品川区長期基本計画が示す方向性はSDGsと重なることが多く、この計画において掲げる各施策を推進することは、SDGsの達成にも資するものと考えています。この計画において、スポーツに関する主な政策の柱である「学びとスポーツの楽しさが拡がる環境づくり」は、SDGsの17の目標(ゴール)のうち、「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」の目標達成に資するものと位置付けられています。 本計画において関わりの深い目標 Bすべての人に健康と福祉を あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する C質の高い教育をみんなに 全ての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する E新型コロナウイルス感染症の影響 令和2(2020)年1月以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、全国的にスポーツ施設の利用制限やスポーツイベントの延期・中止などの対応がとられており、活動する場合についても感染拡大防止策の徹底が求められています。 国が提唱する「新しい生活様式」を踏まえ、感染拡大を防止しつつ安全にスポーツを行うためのガイドラインや東京都が示す暮らしや働き方の「新しい日常」のあり方を理解し、スポーツを実践することが重要です。 これを受けて、区でも各スポーツ施設において感染拡大防止のためのガイドラインを作成し、利用者の体調確認や施設の利用ルールを遵守するためのチェックシートの記入、施設利用後の消毒作業の徹底など、さまざまな取り組みを行っています。これからも、新型コロナウイルス感染症などの感染症と共存し、スポーツ活動を継続する方法を検討・運用していきます。 (p.6) (3)スポーツに関する国や東京都の政策動向および区の取り組み 社会経済状況の変化に伴い、スポーツを取り巻く政策動向も変化してきています。国や東京都の動向を踏まえるとともに、区のこれまでのスポーツ施策に関する考え方や取り組みを継承しながら、区民が楽しんでスポーツに親しむことのできる施策を展開します。 @国の動向 昭和36(1961)年に制定された「スポーツ振興法」は制定から50年が経ち、文部科学省は、スポーツを行う目的の多様化や地域スポーツの活発化などの状況の変化を受け、平成23(2011)年に「スポーツ基本法」を制定しました。 平成24(2012)年には、スポーツに関する施策を総合的・計画的に推進するため、10年間を見通した「スポーツ基本計画(第1期)」が策定され、平成29(2017)年には「第2期スポーツ基本計画」が策定されました。 平成27(2015)年に文部科学省の外局として設置されたスポーツ庁は、この第2期スポーツ基本計画に基づいて日本のスポーツ政策を推進しており、スポーツを「する」「みる」「ささえる」参画人口の拡大をめざし、成人の週1日以上のスポーツ実施率を65%以上にすることを目標に掲げています。また、スポーツ環境の基盤となる「人材」と「場」の充実として、指導者やボランティアの育成・確保、総合型地域スポーツクラブの質的充実、スポーツ施設やオープンスペースの有効活用等のスポーツに親しむ場の確保を推進しています。 平成30(2018)年には「スポーツ実施率向上のための行動計画」を策定し、国民全体に向けたスポーツ実施率向上の取り組みに加え、ビジネスパーソン、高齢者、障害者などの対象に焦点を当てた取り組みを推進しています。 その一環で、一人でも多くの人がスポーツを楽しみ、スポーツを行うことが生活習慣の一部となるような社会をめざし、「Sport in Life プロジェクト*」を推進しています。 (p.7) A東京都の動向 東京都は、平成24(2012)年に「東京都障害者スポーツ振興計画」を、平成25(2013)年に「東京都スポーツ推進計画」を策定し、都民のスポーツを推進してきました。両計画の策定後、東京2020大会の開催決定を契機に、障害者スポーツへの関心が急速に高まった状況を踏まえ、障害者スポーツが社会に溶け込んだ東京を創るという決意を込め、前述した2つの計画を一体化した「東京都スポーツ推進総合計画」が平成30(2018)年に策定されました。 東京都はこの計画に基づき、スポーツを通じた「健康長寿の達成」「共生社会の実現」「地域・経済の活性化」を施策の柱として位置付け、スポーツ振興施策を推進しています。スポーツ実施の促進にあたっては、都民のスポーツへの関心・行動の段階により施策が異なると考え、「関心喚起策」「実行促進策」「継続支援策」の3つの視点による施策を展開しています。 B品川区の取り組み 区は、スポーツを区民の心身を育み、地域への愛着・誇りを醸成するとともに、国際交流やまちづくりに寄与する活動として捉え、品川区が心豊かなにぎわい都市としてさらに大きく発展することを願い、平成19(2007)年に「品川区文化芸術・スポーツのまちづくり条例」を制定しました。 この条例には、これからの成熟した社会において、さらなる未来を創造し、区民が健康で豊かな生活を形成するため、スポーツが重要な役割を担うという考え方が示され、区の責務、区民および団体の役割が定められています。 こうした条例の考え方を受けて、文化芸術・スポーツ振興の総合的な取り組みの理念と方向性を明らかにするために、平成22(2010)年に「品川区文化芸術・スポーツ振興ビジョン」を策定しました。 このビジョンでは、文化芸術・スポーツの振興のあり方を示すとともに、文化芸術・スポ−ツの活動をとおしてつくられる新たなにぎわいが、活力ある地域づくりへとつながる原動力となることが期待されています。 区は、このビジョンで掲げている「文化芸術・スポーツでつながり 輝き続けるしながわ をめざして」の実現に向けて、さまざまなスポーツ施策を推進してきました。 (p.8) スポーツに関する国・東京都・区の政策動向等 国 昭和36(1961)年:スポーツ振興法の制定 平成12(2000)年:スポーツ振興基本計画の策定(計画期間:2001〜2011年度) 平成18(2006)年:スポーツ振興基本計画の改定 平成22(2010)年:スポーツ立国戦略の策定 平成23(2011)年:スポーツ基本法の制定 平成24(2012)年:スポーツ基本計画の策定(計画期間:2012〜2016年度) 平成27(2015)年:スポーツ庁の設置 平成29(2017)年:第2期スポーツ基本計画の策定(計画期間:2017〜2021年度) 平成30(2018)年:スポーツ実施率向上のための行動計画の策定(計画期間:2018〜2021年度) 東京都 平成14(2002)年:東京都スポーツ振興基本計画の策定(計画期間:2002〜2013年度) 平成20(2008)年:東京都スポーツ振興基本計画の改定 平成24(2012)年:東京都障害者スポーツ振興計画策定(計画期間:2011〜2020年度) 平成25(2013)年:東京都スポーツ推進計画の策定(計画期間:2013〜2020年度)、東京2020大会の決定 平成30(2018)年:東京都スポーツ推進総合計画の策定(計画期間:2018〜2024年度) 令和2(2020)年:東京2020大会の開催延期 令和3(2021)年:東京2020大会の開催予定 区 平成19(2007)年:品川区文化芸術・スポーツのまちづくり条例の制定 平成20(2008)年:品川区基本構想の策定 平成21(2009)年:品川区長期基本計画の策定(計画期間:2009〜2018年度) 平成22(2010)年:品川区文化芸術・スポーツ振興ビジョンの策定 平成26(2014)年:品川区長期基本計画の改訂 令和2(2020)年:品川区長期基本計画の策定(計画期間:2020〜2029年度) 令和3(2021)年:品川区スポーツ推進計画の策定(計画期間:2021〜2030年度) (p.9) (4)品川区の地域スポーツに関するあゆみ 区では、これまで地域スポーツの推進を図るため、区民の自主的なスポーツ活動を促進するための取り組みや環境づくりを実施してきました。 @品川区スポーツ推進委員(旧品川区体育指導委員) スポーツ基本法第32条第1項では、「市町村の教育委員会(特定地方公共団体にあっては、その長)は、当該市町村におけるスポーツの推進に係る体制の整備を図るため、社会的信望があり、スポーツに関する深い関心と理解を有し、及び次項に規定する職務を行うのに必要な熱意と能力を有する者の中から、スポーツ推進委員を委嘱するものとする。」と規定されています。区では、区民のスポーツの推進を図るため、この規定に基づき、スポーツ推進委員を選定しており、令和2(2020)年4月現在で、37人が活動しています。 以前は体育指導委員と呼ばれていましたが、平成23(2011)年にスポーツ振興法が改正され、スポーツ基本法が施行されたことに伴い、名称がスポーツ推進委員へと変更になりました。 品川区スポーツ推進委員は50年以上の歴史があり、発足時はスポーツの「実技指導」を中心に行っていましたが、昨今はスポーツを通じたまちづくりを地域の方々と行うための「連絡調整」まで幅広い役割を担っています。 区では、区内を17のスポーツエリアに分け、各地区で「地域スポーツ推進事業」を展開しており、事業の企画運営は、日頃学校施設を利用している地域スポーツクラブのメンバーが行っています。品川区スポーツ推進委員は、事業運営にあたっての指導・助言や運営協力を行い、地域スポーツクラブと協力しながら「地域スポーツ推進事業」を進めており、ときには区と地域のパイプ役として、ときには地域スポーツを推進する相談役・コーディネーターとして、常に地域と密着した活動を行っています。 A地域スポーツクラブの設立 昭和57(1982)年から平成2(1990)年にかけて、区内の小・中学校を活動拠点とし、地域に根差したスポーツ活動を牽引する組織をつくるため、コミュニティスポーツ・レクリエーション活動推進委員会(以下「スポ・レク推進委員会」という。)を設立しました。 スポ・レク推進委員会は、区内における中学校区程度の17地区にそれぞれ1つずつ設立され、活動拠点となる各学校の体育館を公平かつ有効に活用するための利用調整を行うこと、地域に即したスポーツ事業を展開することを大きな目的としていました。区民による自主的・自発的な地域スポーツ交流事業の展開により、人と人との交流の創出や連帯感の高揚、潜在的なスポーツ人口の掘り起こしなどに寄与する役割を担う組織として期待されてきました。 スポ・レク推進委員会が担ってきた地域スポーツ活動をより一層推進するため、17地区のスポ・レク推進委員会を4つの地区別に発展的に統合し、「地域スポーツクラブ」を設立しました。地域スポーツクラブは、地域の日常的なスポーツ活動の場として、区民自らが主体となって運営するスポーツクラブであり、本計画で構築したスポーツ施策を推進する主体の1つとして重要な役割を担っています。 (p.10) B品川区スポーツ協会の設立 平成6(1994)年に、区民の体力向上とスポーツ・レクリエーションの振興をめざして40余年にわたり活動してきた品川区体育協会と品川区レクリエーション協会とが一体となり、財団法人品川区スポーツ協会が設立されました。 平成18(2006)年からは品川区立体育館の管理運営を行う指定管理者としての指定を受けるとともに、区からの委託事業のほか、自主事業の充実を図っています。 平成24(2012)年からは公益財団法人となり、公益性をより重視し、区民が気軽にスポーツ・レクリエーションに親しめるようにさまざまな事業を展開しています。 品川区の地域スポーツに関するあゆみ 昭和37(1962)年:品川区体育指導委員の設置 昭和57(1982)年〜平成2(1990)年:スポ・レク推進委員会の設置 平成5(1993)年:品川区における地域スポーツ振興プログラム策定に関する研究報告の作成 平成6(1994)年:財団法人品川区スポーツ協会の設立 平成7(1995)年:品川区における障害者スポーツ振興プログラム策定に関する研究報告の作成 平成22(2010)年:スポクラ・しながわ(品川・大崎地区)の設立 平成23(2011)年:品川区スポーツ推進委員の設置※品川区体育指導委員より変更 平成24(2012)年:財団法人品川区スポーツ協会の公益財団法人化 平成27(2015)年:荏原B地域スポーツクラブ(荏原B地区)の設立 平成30(2018)年:地域クラブ ebaraA(荏原A地区)の設立 令和2(2020)年:大井八潮地域スポーツクラブTOYS(大井・八潮地区)の設立 (p.11) 2.計画の位置付け 本計画は、スポーツ基本法第10条第1項に規定する「地方スポーツ推進計画」であり、区がスポーツを推進する上でめざすべき施策の方向性や取り組みを体系的に示したものです。 「品川区基本構想」および「品川区長期基本計画」の下位計画として位置付け、区の健康増進分野、介護予防分野、障害福祉分野、教育分野などの関連計画と連携を図ります。 さらに、国の「第2期スポーツ基本計画」がめざすスポーツを「する」「みる」「ささえる」参画人口の拡大や、東京都の「東京都スポーツ推進総合計画」において着目されているスポーツへの関心・行動の段階の視点といった、めざす方向性や内容の趣旨と整合を図るよう留意し、計画を進めます。 (p.12) 3.計画の期間 本計画の計画期間は、令和3(2021)年度から令和12(2030)年度までの10年間とします。 また、今後も予想される社会経済状況やスポーツ政策動向の変化に的確に対応するため、策定後5年を目途に中間の見直しを行います。 (p.13) 4.本計画におけるスポーツ (1)スポーツの価値や可能性 スポーツ基本法において、スポーツは、「世界共通の人類の文化」であるとともに、「心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵養等のために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動」であり、「次代を担う青少年の体力を向上させるとともに、他者を尊重しこれと協同する精神、公正さと規律を尊ぶ態度や克己心を培い、実践的な思考力や判断力を育む等人格の形成に大きな影響を及ぼすもの」とされています。 また、「人と人との交流及び地域と地域との交流を促進し、地域の一体感や活力を醸成するもの」であり、「健康で活力に満ちた長寿社会の実現に不可欠」であるとされています。 国が策定した「第2期スポーツ基本計画」では、社会の課題解決にスポーツを通じたアプローチが有効であることを踏まえ、スポーツを通じた「共生社会の実現」「健康増進」「経済・地域の活性化」などに積極的に取り組むこととされています。東京都が策定した「東京都スポーツ推進総合計画」においても、スポーツを通じた「健康長寿の達成」、「共生社会の実現」、「地域・経済の活性化」を大きな政策目標とし、スポーツ施策を推進しています。 このように、スポーツは個人として楽しさや喜びを得られるだけではなく、地域の課題解決に資する役割も期待されています。 (p.14) (2)本計画におけるスポーツの定義と障害者スポーツの考え方 スポーツ(sport)は、ラテン語の「deportare(デポルターレ)」に由来する単語と言われています。「deportare」は、「ある物をある場所から他の場所に移す」という意味から派生し、「心の重い、嫌な、塞いだ状態をそうでない状態に移す」、すなわち「気晴らしをする」、「楽しむ」、「遊ぶ」などを意味していました。この言葉が、古フランス語の「desport」を経て、現在の「sport」に至ったとされています。 本計画では、スポーツの語源を踏まえ、ルールに基づいて勝敗や記録を競うものだけではなく、健康づくりを目的に行われるウオーキングや体操、遊びや楽しみを目的としたレクリエーション活動まで、目的を持った意図的身体活動のすべてをスポーツとして捉えています。 また、東京2020大会の開催決定を契機に障害者スポーツへの関心が高まっています。本計画では、障害の特性に応じてクラス分けやルールを変更したり、用具や補助者により障害を補う工夫や配慮を加えて適合させた競技種目だけでなく、障害のある人の健康づくりを目的としたウオーキングや体操、遊びや楽しみを目的としたレクリエーション活動まで、すべての身体活動を障害者スポーツとして捉えています。 (p.15) 第2章 品川区のスポーツを取り巻く現状と課題 本文中において、特に解説が必要な語句等は、末尾に「*」を付していますので、用語解説ページを参照してください。 (p.16) 1.区の人口動向 品川区の人口は、昭和39(1964)年の東京オリンピックの年をピークに減少してきましたが、平成10(1998)年以降増加に転じ、平成22(2010)年には人口35万人を超え、令和元(2019)年には40万人を突破しました。 平成30(2018)年に行った将来人口推計では、令和26(2044)年まで増加を続け、同年に約44.8万人でピークを迎えた後に減少傾向に転じるとされ、平成20(2008)年以降、人口が減少している日本全体の状況とは異なった傾向となっています。 年齢3区分別人口の推移を見ると、年少人口(0〜14歳)と生産年齢人口(15〜64歳)はそれぞれ、令和18(2036)年、令和12(2030)年にピークを迎えた後に減少に転じる一方、老年人口(65歳以上)は、令和30(2048)年までの推計期間中一貫して増加し、令和30(2048)年には老年人口の比率が約29.4%となり、おおよそ区民の3人に1人が高齢者となるとされています。 (p.17) 2.区民のスポーツ活動に関する現状 令和元(2019)年度に実施した品川区のスポーツに関するアンケート調査や、ヒアリング調査、各種統計データ等を整理し、区民のスポーツ活動に関する現状を示します。 なお、アンケート調査は、一般区民向け調査と区立の小学校・中学校・義務教育学校の5年生および8年生を対象とする児童・生徒向け調査の2種類を実施しました。 (1)子どものスポーツ実施状況 @スポーツの実施頻度 過去1年間において、体育の授業のほかに、1日30分以上実施したスポーツの頻度をみると、週1日以上の割合(「週3日以上」と「週1〜2日くらい」の合計)は、5年生と8年生で約7割とほぼ同じ割合となっています。 「週3日以上」は8年生の方が5年生よりも高くなっていることから、中学校または義務教育学校の運動部活動により、高頻度でスポーツに取り組むことができていると考えられます。 一方、スポーツを「実施しなかった」と回答した5年生と8年生も一定数おり、実施しなかった理由としては、5年生は「勉強や習いごとなどが忙しいから」、「疲れるから」が多く、8年生は「スポーツや運動が好きではないから」、「得意ではないから」が多くあげられています。8年生は「好き・嫌い」、「得意・不得意」というスポーツに対する印象により、実施していないことがうかがえます。 (資料) 過去1年間における子どものスポーツ実施状況 全体(N=983) 週3日以上:49.4% 週に1〜2日くらい:21.5% 月に1〜3日くらい:6.8% 年に1〜3日くらい:1.1% 分からない:13.9% 実施しなかった:5.3% 無回答:1.9% 5年生(N=487) 週3日以上:43.3% 週に1〜2日くらい:27.1% 月に1〜3日くらい:7.4% 年に1〜3日くらい:0.6% 分からない:16.2% 実施しなかった:2.9% 無回答:2.5% 8年生(N=496) 週3日以上:55.4% 週に1〜2日くらい:15.9% 月に1〜3日くらい:6.3% 年に1〜3日くらい:1.6% 分からない:11.7% 実施しなかった:7.7% 無回答:1.4% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.18) 過去1年間のスポーツの実施状況を頻度別に「定期実施層」、「不定期実施層」、「非実施層」の3つに分類しました。各分類の定義と割合は下表のとおりです。 スポーツの実施頻度別に、大人になってからもスポーツをしたい子どもの割合をみると、「定期実施層」、「不定期実施層」、「非実施層」の順に高くなっており、子どもの頃からスポーツに親しむことは、大人になってからもスポーツを継続したいという意識を育むことにつながるといえます。 (資料) スポーツの実施頻度における分類の定義と割合 定期実施層 過去1年間で体育の授業のほかに1日30分以上スポーツを実施しており、かつ週に1日以上スポーツを実施した人:70.9% 不定期実施層 過去1年間で体育の授業のほかに1日30分以上スポーツを実施したが、週に1日未満の実施であった人:21.9% 非実施層 過去1年間で体育の授業のほかに1日30分以上スポーツを実施しなかった人:5.3% (資料) スポーツの実施頻度別にみた大人になってからもスポーツをしたい子どもの割合 定期実施層(N=697):81.3% 不定期実施層(N=215):53.0% 非実施層(N=52):19.2% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) また、自身の責任感や社会性の有無について肯定的な回答を示した子どもの割合も「定期実施層」、「不定期実施層」、「非実施層」の順に高くなっていることがわかっており、スポーツ活動を通じて豊かな人間性の成長も期待できることがうかがえます。 (資料) 自身の責任感や社会性に対して「あてはまる」と回答した人の割合 自分で判断し、責任をもって行動しようとしている 定期実施層(N=697):81.9% 不定期実施層(N=215):67.4% 非実施層(N=52):63.5% 社会の様々な人々の個性を尊重し、認め合いながら関わることができる 定期実施層(N=697):86.1% 不定期実施層(N=215):79.1% 非実施層(N=52):61.5% 自分が所属する集団の目標の達成に向け、自分の役割や責任を考えて行動できる 定期実施層(N=697):87.2% 不定期実施層(N=215):72.1% 非実施層(N=52):63.5% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.19) A子どもの体力の状況 性別・学年別にみた子どもの「体力合計点平均値」を東京都と比べると、5年生の男女、8年生の男女、それぞれ1点前後の差でほぼ同じ傾向となっていますが、8年生の男女では東京都の平均値を下回る種目が半数程度あります。 区では、これまで子どもの体力向上施策として、学識経験者、区立小学校・中学校・義務教育学校の校長・副校長・指導主事で組織する体力向上検討委員会を設置し、取り組みの方向性や具体的な方策等についてさまざまな角度から検討を行ってきました。その中で、品川スポーツトライアル、テクニカルアドバイザー、ワンミニッツエクササイズなどの独自の取り組みを行っており、一定の成果をあげているため、この取り組みを継続していきます。 (資料) 子どもの体力の状況 小学校第5学年(品川区5年生) 体力合計点平均値:品川区男子55.7点 東京都男子54.2点 品川区女子56.4点 東京都女子55.9点 握力:品川区男子16.9kg 東京都男子16.5kg 品川区女子16.4kg 東京都女子16.1kg 上体起こし:品川区男子20.6回 東京都男子20.1回 品川区女子19.6回 東京都女子19.3回 長座体前屈:品川区男子33.9cm 東京都男子33.5cm 品川区女子38.4cm 東京都女子38.2cm 反復横とび:品川区男子43.3点 東京都男子41.9点 品川区女子41.4点 東京都女子40.3点 20mシャトルラン:品川区男子53.3回 東京都男子49.6回 品川区女子40.7回 東京都女子39.2回 50m走:品川区男子9.2秒 東京都男子9.2秒 品川区女子9.5秒 東京都女子9.5秒 立ち幅とび:品川区男子153.7cm 東京都男子151.9cm 品川区女子146.1cm 東京都女子145.8cm ソフトボール投げ:品川区男子22.3m 東京都男子21.0m 品川区女子12.6m 東京都女子12.8m 中学校第2学年(品川区8年生) 体力合計点平均値:品川区男子40.8点 東京都男子40.9点 品川区女子50.3点 東京都女子49.6点 握力:品川区男子28.2kg 東京都男子28.5kg 品川区女子23.7kg 東京都女子23.6kg 上体起こし:品川区男子27.3回 東京都男子27.0回 品川区女子24.3回 東京都女子24.1回 長座体前屈:品川区男子42.8cm 東京都男子42.4cm 品川区女子46.3cm 東京都女子45.4cm 反復横とび:品川区男子53.2点 東京都男子52.4点 品川区女子48.2点 東京都女子47.5点 20mシャトルラン:品川区男子79.3回 東京都男子80.8回 品川区女子57.4回 東京都女子57.5回 50m走:品川区男子8.0秒 東京都男子8.0秒 品川区女子8.7秒 東京都女子8.8秒 立ち幅とび:品川区男子192.6cm 東京都男子194.8cm 品川区女子169.0cm 東京都女子169.8cm ソフトボール投げ:品川区男子19.7m 東京都男子20.4m 品川区女子12.5m 東京都女子12.6m 注)中学校は20mシャトルランか持久走(男子1500m、女子1000m)のいずれかを選択して実施しています。 出典:令和元年度東京都児童・生徒体力・運動能力、生活・運動習慣等調査 報告書 (p.20) コラム オリンピック・パラリンピック教育 オリンピック・パラリンピック教育では、知・徳・体の調和のとれた幼児・児童・生徒の育成を目指しています。各学校・幼稚園では、各教科等の学習内容や学校行事等の取組を「4つのテーマ」×「4つのアクション」と関連付け、年間35時間程度のオリンピック・パラリンピック学習を行っています。 4つのテーマ(@オリンピック・パラリンピックの精神AスポーツB文化C環境)×4つのアクション(@学ぶ(知る)A観るBする(体験・交流)C支える) →本区の子どもたちに育てたい5つの資質 @おもてなしA障害者理解Bスポーツ志向C和の心D国際的な視野 主な取組例 ◆品川区オリンピック・パラリンピック学習教材「ようい、ドン!しながわ」 「ようい、ドン!しながわ」は、児童・生徒が、東京2020大会に興味・関心をもち、自分たちにできることを真剣に考え、積極的に関わろうとする意欲を高めることを目的としています。 本教材には、オリンピック・パラリンピックと関連する品川区の歴史や特色等を多数掲載しており、東京2020大会がより身近なものに感じられるような内容となっています。 ◆世界ともだちプロジェクト 東京2020大会に向け、各学校・幼稚園では、任意の「学習・交流国」5か国について調べるとともに、海外からの訪問者や大使館の方々との交流を行うことで、世界の多様性を知り、様々な価値観を尊重する態度を養っています。また、改めて日本の良さに気付き、おもてなしの心を育む機会としています。 ◆3競技体験教室 平成28年度から、東京2020大会区内開催競技の「ホッケー」「ビーチバレーボール」、本区応援競技の「5人制サッカー(ブラインドサッカー)」の体験教室を行っており、各学校は令和元年度までに全競技を体験しました。また、全区立中学校および義務教育学校8年生にて、令和元年度から「5人制サッカー(ブラインドサッカー)」の体験教室を実施しています。 体験を通してスポーツの楽しさを知ることはもちろん、フェアプレーの精神や粘り強い心、思いやりの心を育てています。 (p.21) (2)大人のスポーツ実施状況 @運動不足の意識 運動不足を感じている人は、4人に3人程度となっており、多くの人が運動不足を感じているといえます。 (資料) 運動不足を感じているかどうか(N=1,171) 感じている:43.6% どちらかといえば感じている:28.3% どちらかといえば感じていない:15.3% 感じていない:12.3% 無回答0.5% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) Aスポーツの実施頻度 「週1日以上」(「週3日以上」、「週2日」、「週1日」の合計)は57.6%となっており、東京都と全国よりもやや高くなっていますが、国が第2期スポーツ基本計画で掲げる目標値(65.0%)よりは低くなっています。また、「週3日以上」は25.6%となっており、全国よりは低くなっています。 (資料) 過去1年間のスポーツ実施状況における国・東京都との比較 品川区 週3日以上(年151日以上):25.6% 週2日(年101〜150日):17.2% 週1日(年51〜100日):14.8% 週1日未満:28.4% 実施しなかった・わからない:10.1% 無回答:3.9% 週1日以上:57.6% 東京都 週3日以上(年151日以上):25.4% 週2日(年101〜150日):16.3% 週1日(年51〜100日):15.4% 週1日未満:23.7% 実施しなかった・わからない:19.2% 無回答:0.0% 週1日以上:57.2% 全国 週3日以上(年151日以上):27.9% 週2日(年101〜150日):13.3% 週1日(年51〜100日):14.1% 週1日未満:24.8% 実施しなかった・わからない:19.9% 無回答:0.0% 週1日以上:55.3% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.22) 過去1年間のスポーツの実施状況を頻度別に「定期実施層」、「不定期実施層」、「非実施層」の3つに分類しました。各分類の定義と割合は下表のとおりです。 全体では「定期実施層」が6割近くと最も多く、「不定期実施層」が3割近く、「非実施層」が1割となっています。 年代別にみると、30〜40歳代は全体の傾向と異なり、「不定期実施層」が最も多くなっていることから、働き盛り世代や子育て世代は定期的にスポーツを実施できていないと考えられます。 また、80歳以上の「非実施層」の割合は全体と比べて2倍以上となっており、スポーツを実施する高齢者と実施しない高齢者の二極化傾向がうかがえます。 (資料) スポーツの実施頻度における分類の定義と割合 定期実施層 過去1年間で週に1日以上スポーツを実施した人:57.6% 不定期実施層 過去1年間で1度でもスポーツを実施したが、週に1日未満に留まった人:28.4% 非実施層 過去1年間で1度もスポーツを実施しなかった人:10.1% (資料) 年代別にみたスポーツの実施頻度の分類 全体 非実施層:10.1% 不定期実施層:28.4% 定期実施層:57.6% 18・19歳 非実施層:- 不定期実施層:33.3% 定期実施層:66.7% 20歳代 非実施層:4.2% 不定期実施層:45.1% 定期実施層:50.7% 30歳代 非実施層:9.9% 不定期実施層:47.9% 定期実施層:42.1% 40歳代 非実施層:10.3% 不定期実施層:46.9% 定期実施層:42.8% 50歳代 非実施層:8.6% 不定期実施層:38.5% 定期実施層:52.9% 60歳代 非実施層:10.4% 不定期実施層:20.3% 定期実施層:69.3% 70歳代 非実施層:7.7% 不定期実施層:13.5% 定期実施層:78.8% 80歳以上 非実施層:22.4% 不定期実施層:14.3% 定期実施層:63.3% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.23) 成人の週1日以上のスポーツ実施率を性別にみると、男女では大きな差が認められませんでした。一方、年代別にみると、30〜40歳代は他の年代と比べると低くなっており、国や東京都と同様の傾向を示しています。 スポーツを実施しなかった人に対して理由を尋ねたところ、仕事や家事、育児、介護などで忙しくて時間がないという回答が多くなっており、仕事や家庭の状況によっては、スポーツに取り組むことが難しい状況がうかがえます。 (資料) 性別と年代別等にみた成人の週1日以上のスポーツ実施率 全体(N=1,171):57.6% 男性(N=530):57.0% 女性(N=617):58.3% 18・19歳(N=15):66.7% 20歳代(N=71):50.7% 30歳代(N=121):42.1% 40歳代(N=145):42.8% 50歳代(N=189):52.4% 60歳代(N=216):68.1% 70歳代(N=239):73.2% 80歳以上(N=170):54.7% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.24) (3)障害者スポーツの普及・啓発 区では、障害者スポーツの普及啓発をめざし、障害者スポーツチャレンジデー等の啓発イベントを通じたボッチャの普及や東京2020大会で品川区応援競技である5人制サッカー(ブラインドサッカー)(以下「ブラインドサッカー」という。)の機運醸成等に取り組んできました。 障害者スポーツに関心がある区民は約5割であり、東京2020大会の開催決定を契機に力を入れてきた取り組みの成果が現れている一方で、東京都(59.2%)と比べると低くなっています。 (資料) 障害者スポーツに対する関心(N=1,171) 関心がある:13.0% やや関心がある:35.3% あまり関心がない:34.0% 関心がない:13.9% 無回答:3.8% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) 障害のある人がスポーツを実施しやすい環境をつくるために必要な取り組みをみると、「障害者スポーツイベントや教室などの体験機会の充実」が4割台半ばとなっており、「施設のバリアフリー化」と「障害者スポーツについての理解促進・PR」は3割を超えています。 (資料) 障害のある人がスポーツを実施しやすい環境をつくるために必要な取り組み(N=1,171) 障害者スポーツイベントや教室などの体験機会の充実:43.5% 施設のバリアフリー化:33.3% 障害者スポーツについての理解促進・PR:32.6% 学校教育での障害者スポーツの理解促進:27.4% 指導員の養成:27.3% ボランティアの養成:25.7% 障害者スポーツ大会等への参加・観戦の機会充実:24.9% 障害者スポーツ団体等への支援:20.2% 障害者施設・団体との連携:15.7% その他:2.4% 分からない:15.0% 無回答:5.4% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.25) (4)みるスポーツ 区の過去1年間に会場で直接スポーツを観戦した人の割合は、全国と比べてやや高いですが、東京都と比べて低くなっています。 東京2020大会における品川区内の会場は、潮風公園がビーチバレーボールの開催場所に、大井ホッケー競技場がホッケーの開催場所になっており、トップレベルのスポーツを観戦する身近な場として期待できます。 (資料) 過去1年間のスポーツ観戦状況における国・東京都との比較 品川区:27.3% 東京都:41.1% 全国:26.8% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) 東京2020大会における品川区内の開催競技と品川区応援競技 開催競技:ビーチバレーボール 会場:都立潮風公園 開催競技:ホッケー 会場:大井ホッケー競技場 応援競技:ブラインドサッカー 会場:青海アーバンスポーツパーク(江東区) (p.26) (5)スポーツ施設 @区立スポーツ施設 区内の主な区立スポーツ施設は次のとおりです。品川区を東西に分けると、東側は野球場やテニスコートなどの屋外スポーツ施設が充実している一方で、西側は体育館や水泳場などの屋内スポーツ施設が充実しています。 品川区内の主な区立スポーツ施設一覧(令和2年4月1日現在) 体育館 総合体育館:体育館、トレーニング場、武道場2面、その他 戸越体育館:体育館、武道場2面、その他 スクエア荏原:体育館 公園 しながわ区民公園:野球場2面、テニスコート4面、水泳場 しながわ中央公園:多目的運動広場、テニスコート2面 品川南ふ頭公園:野球場 東品川公園:テニスコート2面、弓道場 八潮北公園:球技場、野球場、テニスコート4面、その他 天王洲公園:野球場3面 子供の森公園:野球場 鮫洲運動公園:野球場 西大井広場:多目的運動広場 八潮公園多目的広場:多目的運動広場 文化センター 南大井文化センター:体育館 旗の台文化センター:体育館 荏原文化センター:水泳場、体育館 東品川文化センター:体育館 地域センター 八潮地域センター:体育館 健康センター 品川健康センター:球技場、トレーニング場、その他 荏原健康センター:トレーニング場 その他 こみゅにてぃぷらざ八潮:多目的運動広場、体育館 大井ふ頭中央海浜公園※都施設:陸上競技場、野球場6面、テニスコート14面 出典:東京都における公立スポーツ施設(令和元年度版) (p.28) A区立の小学校・中学校・義務教育学校等施設 区立の小学校・中学校・義務教育学校等は、次のとおりです。東西南北にバランスよく配置されているため、誰もが身近にスポーツに取り組める場所として活用されています。 利用できる施設としては、校庭、体育館、多目的室等があり、温水プールがある一部の学校では、区民に一般開放を行っています。 施設の利用にあたっては、児童・生徒が使用していない時間帯や土曜日・日曜日・祝日を活用して、区民やスポーツ団体に地域開放を行っています。 品川区立小学校・中学校・義務教育学校等の一覧(令和2年4月1日現在) <品川・大崎地区> 城南ブロック:城南第二小学校・城南小学校・東海中学校 品川ブロック:品川学園・浅間台小学校・台場小学校 大崎ブロック:芳水小学校・三木小学校・大崎中学校 御殿山ブロック:日野学園・御殿山小学校・第三日野小学校 西五反田ブロック:第四日野小学校・第一日野小学校 <大井・八潮地区> 大井ブロック:伊藤学園・大井第一小学校・山中小学校 八潮ブロック:八潮学園・明晴学園 鈴ヶ森ブロック:浜川小学校・鈴ヶ森小学校・鈴ヶ森中学校 立会ブロック:立会小学校・鮫浜小学校・浜川中学校 <荏原A地区> 戸越ブロック:戸越小学校・大原小学校 豊葉ブロック:豊葉の杜学園 西大井ブロック:上神明小学校・伊藤小学校・源氏前小学校・冨士見台中学校 宮前ブロック:宮前小学校・戸越台中学校 <荏原B地区> 旗の台ブロック:旗台小学校・第二延山小学校・清水台小学校・荏原第五中学校 荏原ブロック:中延小学校・京陽小学校・延山小学校・荏原平塚学園 荏原西ブロック:後地小学校・小山台小学校・荏原第一中学校 小山ブロック:小山小学校・荏原第六中学校 (p.30) Bスポーツを行うことを目的とした区内の公共施設の利用状況 過去1年間においてスポーツを行うために利用した区内の公共施設をみると、利用割合の多い「学校施設」や「健康センター」、「屋内の総合スポーツ施設」であっても1割を超える程度となっており、一部の区民に利用が限られていることがうかがえます。 (資料) 過去1年間においてスポーツを行うために利用した区内の公共施設(N=1,171) 学校施設:12.1% 健康センター:11.8% 屋内の総合スポーツ施設:11.2% 多目的広場:6.7% 集会所系施設:5.6% 庭球場:5.3% 野球場:3.2% サッカー場・フットサル場:1.9% その他:17.6% 無回答:46.5% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.31) (6)スポーツ関連の情報 区におけるスポーツ関連情報の入手方法をみると、「広報しながわ」が約4割と最も多く、幅広い区民に配布できていることがうかがえます。 一方、それ以外の入手方法は1割前後か、それ未満となっており、定期的に情報を入手する方法として確立していないといえます。 (資料) 品川区におけるスポーツ関連情報の入手方法(N=1,171) 広報しながわ:40.5% 町会回覧や掲示板:13.0% 区の施設等のチラシやパンフレット:12.0% 区のホームページ・SNS:8.3% 知人・友人からの紹介・誘い:8.0% 所属クラブ・団体などを通じて:3.6% 広報番組:2.0% 品川区施設予約システム:1.5% その他:1.5% 特に入手していない:41.8% 注)SNSの意味は参考資料の用語解説をご参照ください。 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.32) (7)スポーツ活動団体 @地域スポーツクラブについて 区内では、4つの「地域スポーツクラブ」が活動しています。地域スポーツクラブとは、「いつでも、どこでも、だれでも、いつまでも」スポーツを楽しめることをめざし、地域の日常的なスポーツ活動の場として、子どもから大人まで、また高齢者や障害者を含めすべての人が参加できるよう、地域住民自らが主体となって運営するスポーツクラブのことです。 区民が自主的に運営を担い自由に活動している一方で、運営の担い手の相互理解の推進や運営ノウハウの構築が課題となっています。 区内で活動する地域スポーツクラブ スポクラ・しながわ 地区:品川・大崎地区 設立年月:平成22年3月 荏原B地域スポーツクラブ 地区:荏原B地区 設立年月:平成27年3月 地域クラブ ebaraA 地区:荏原A地区 設立年月:平成30年3月 大井八潮地域スポーツクラブTOYS 地区:大井・八潮地区 設立年月:令和2年3月 A地域スポーツクラブの認知度 地域スポーツクラブ(大井八潮地域スポーツクラブTOYSを除く。)の認知度をみると、「いずれも知らない」が8割台半ばとほとんどであり、多くの区民が地域スポーツクラブのことを知らない状況となっています。 (資料) 地域スポーツクラブの認知度(N=1,171) スポクラ・しながわ(品川・大崎地区):7.3% 荏原B地域スポーツクラブ(荏原B地区):2.6% 地域クラブebaraA(荏原A地区):2.0% いずれも知らない:85.6% 無回答:4.9% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.33) B地域スポーツクラブの加入希望 地域スポーツクラブの加入希望をスポーツ実施頻度別にみると、「不定期実施層」が6割台半ばと最も多くなっており、定期的にスポーツが実施できていない区民の中にも定期的な活動を行う意欲がある人が潜在的にいることがうかがえます。 (資料) 地域スポーツクラブの加入希望 定期実施層(N=675):59.7% 不定期実施層(N=332):67.8% 非実施層(N=118):36.4% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) C社会教育関係団体 区では、スポーツや文化芸術等の自主的な活動を行っているグループやサークルなどの団体に対して、その活動を活発化し支援するため、区立スポーツ施設や文化センターなどの施設を有効に利用できるように、登録制度を設けています。この登録を受けた団体のことを社会教育関係団体としています。 令和3年(2021)年1月現在で、1,226の団体が活動しています。 D少年少女スポーツ団体 区には、品川区少年野球連盟、品川区少年サッカー連盟、品川区小学生バレーボール連盟、品川区ミニバスケット連盟などの少年少女スポーツ団体があります。子どもがスポーツに親しめる場としてだけではなく、仲間づくりや達成感の獲得など、社会教育の場としても重要な役割を担っており、それぞれの競技の普及啓発、強化を図りながら活動しています。 (p.34) (8)地域スポーツの人材 @スポーツ指導者に求める資質 スポーツ指導者に求める資質として、一般区民は「スポーツの意義・価値・楽しみ方を伝えることができる人」が最も多く、子どもも「スポーツそのものの楽しさを教えてくれる」が上位から2番目になっていることから、スポーツの楽しみ方や楽しさを教えてくれる人を求めていることがうかがえます。 そのほか、一般区民は「暴力やハラスメントを行使・容認せず、プレーヤーの権利や尊厳、人格を尊重できる人」が上位から2番目になっているため、スポーツ・インテグリティ*の考え方を備えた資質も求められているといえます。 一方、子どもは「上手くなるための技術を教えてくれる」が最も多いため、技術を高めてくれる指導力を重視している傾向にあります。 (資料) 区民がスポーツ指導者に求める資質 一般区民が求める資質 スポーツの意義・価値・楽しみ方を伝えることができる人:52.8% 暴力やハラスメントを行使・容認せず、プレーヤーの権利や尊厳、人格を尊重できる人:30.1% プレーヤーの人間的成長にも配慮して指導することができる人:29.6% 年間をとおして定期的に指導ができる人:25.1% 指導に関する資格を持っている人:21.6% 指導を通じて豊かなスポーツ文化の創造やスポーツの社会的価値を高めることができる人:21.3% 指導力を高めるために学び続けることができる人:18.7% プレーヤーと一緒に成長したいという姿勢をもつ人:17.9% 分からない:14.7% スポーツイベント(大会や教室など)の企画や運営を手伝うことができる人:10.4% 子どもが求める資質 上手くなるための技術を教えてくれる:67.9% スポーツそのものの楽しさを教えてくれる:56.9% 良いところをほめてくれる:51.8% 個々の能力に合った方法で教えてくれる:42.1% スポーツを続けられるようにサポートしてくれる:36.2% プレイヤーに考える力をつけてくれる:26.7% 目標を決めてくれる:26.6% プレイヤーの話を聞いてくれる:25.4% スポーツマンシップやマナーなど(スポーツをとおして生き方)を教えてくれる:22.6% 仲間をつくるためのサポートをしてくれる:16.8% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.35) Aスポーツボランティアの実施状況 区の過去1年間のスポーツボランティア実施率は、東京都や全国と比べて高くなっています。 今後実施したいスポーツボランティアの活動内容をみると、「大会やイベント会場での選手やチームの応援」が2割台半ばと最も多く、次いで「教室・大会・イベントの運営や世話」が1割を超えています。 (資料) 過去1年間のスポーツボランティア実施率における国・東京都との比較 品川区:20.2% 東京都:14.6% 全国:10.6% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (資料) 今後実施したいスポーツボランティアの活動内容(N=1,171) 大会やイベント会場での選手やチームの応援:24.4% 教室・大会・イベントの運営や世話:13.5% 自身やあなたの子どもが所属するクラブ・団体の運営や世話:9.6% クラブ・団体や大会・イベントへの寄付:5.6% スポーツの指導や審判などに関わる講習会・研修会への参加:4.9% スポーツや運動の指導:4.8% スポーツの審判:1.8% その他:4.1% 活動したいと思わない:41.0% 無回答:10.4% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.36) (9)スポーツ支援団体等 @公益財団法人品川区スポーツ協会 公益財団法人品川区スポーツ協会では、区民が気軽にスポーツやレクリエーションに親しむ機会として、協会に加盟している29団体の種目を中心にさまざまなスポーツ教室や大会を開催するほか、区と連携を図りながら各種事業を実施しています。平成18(2006)年度より、総合体育館・戸越体育館の指定管理者として、施設の管理運営業務やスポーツプログラム事業を実施しています。 A品川区スポーツ推進委員 品川区スポーツ推進委員は、スポーツ基本法に基づき、区から委嘱を受けた非常勤公務員で、令和2(2020)年4月現在で37人が活動しています。東京都や他自治体の情報収集を行いつつ、各種研修に参加し、個々の指導力のレベルアップを図り、区のスポーツ推進の担い手として重要な役割を果たしています。 また、障害者スポーツ指導員の資格を積極的に取得し、障害の有無にかかわらず、すべての区民が参加できるボッチャなどの指導を通じて、障害者スポーツの普及啓発を図り、さまざまな人々や団体に地域スポーツの輪が拡がるように働きかけを行っています。 (p.37) (10)重点的に進めた方が良いスポーツ施策 品川区内でスポーツを実施する人が増えるために重点的に進めた方が良い施策をみると、「初心者が取り組みやすい機会・環境の充実」と「知り合いがいなくても取り組みやすい機会・環境の充実」が5割を超えており、技術に自信がなくても、1人であっても参加できる環境・機会を重視していることがうかがえます。 (資料) 品川区内でスポーツを実施する人が増えるために重点的に進めた方が良い施策(N=1,171) 初心者が取り組みやすい機会・環境の充実:56.9% 知り合いがいなくても取り組みやすい機会・環境の充実:51.9% 高齢者が取り組みやすい機会・環境の充実:42.7% 区立スポーツ施設における利用しやすさの向上:38.3% 働いている人が取り組みやすい機会・環境の充実:34.0% 様々なスポーツや運動を体験できる機会・環境の充実:32.3% やり方や楽しみ方を教えてくれる機会・環境の充実:30.4% 一緒に取り組む仲間と出会える機会・環境の充実:25.3% 障害のある方が取り組みやすい機会・環境の充実:23.5% スポーツや運動を実施する機会・環境についての情報発信の充実:21.8% 親子で取り組みやすい機会・環境の充実:18.6% 子育て中の人が取り組みやすい機会・環境の充実:18.6% 指導者やボランティア等のスポーツや運動を支える人材の育成・支援の充実:16.7% 子どもや青少年が取り組みやすい機会・環境の充実:15.9% スポーツや運動の魅力を伝えて関心喚起を促す広報活動の充実:14.6% 地域のスポーツクラブ、社会人サークルなどに対する支援の充実:10.4% その他:5.0% 無回答:4.7% 出典:品川区のスポーツに関するアンケート調査(令和元年度) (p.38) 3.区のスポーツに関する課題 区民のスポーツ活動に関する現状を踏まえ、区のスポーツを取り巻く課題を次のとおり整理しました。 (1)子どものスポーツの推進 過去1年間で週1日以上スポーツを実施している子どもが7割を超えています。その一方で、過去1年間でスポーツを実施しなかった子どもは、1割未満ですが一定程度いました。実施しなかった理由としては、「勉強や習いごとが忙しいから」、「疲れるから」、「得意ではないから」などがあげられています。 スポーツを実施する子どもと実施しない子どもの二極化を解消するため、不得意でも楽しく感じられる、疲れても充実感を味わえる機会の提供とともに、幼児期から継続的にスポーツに親しめる取り組みが重要です。 (2)働き盛り世代・子育て世代のスポーツの推進 働き盛り世代、子育て世代のスポーツ実施率は、全体と比べて特に低くなっており、定期的にスポーツが実施できていないことがわかりました。仕事をしている人でも参加しやすい取り組みや、親子で一緒に取り組める機会の提供が必要です。 (3)高齢者のスポーツの推進 過去1年間で週に1日以上スポーツを実施した人の集団である「定期実施層」は60歳以上における割合が高くなっており、一方、過去1年間で1度もスポーツを実施しなかった人の集団である「非実施層」は80歳以上における割合が高くなっており、年齢を重ねていくにつれ、高齢者の中でもスポーツを実施する人と実施しない人の二極化傾向が認められました。このような二極化傾向を解消する取り組みを推進することにより、介護予防やフレイル予防*などを含めた高齢者の健康づくりに寄与することが求められています。 (4)障害者のスポーツの推進 障害者は、障害の種別や程度によって親しみやすいスポーツが異なります。また、1人で会場に行くことが難しい場合があり、家族や支援者の協力が必要となることから、活動の条件が整わないと取り組みにくいのが現状です。 障害者が障害の種別や程度に応じてスポーツに親しめるように、障害者スポーツイベントや教室などの体験機会の充実、施設のバリアフリー化、障害者福祉施設と連携した指導者のアウトリーチ*、障害者スポーツについての理解促進・PRなどの取り組みが必要です。 (p.39) (5)すべての区民に対するスポーツの推進 「みる」スポーツを推進し、スポーツに対する関心を高める取り組みや、他分野の事業と連携したスポーツに親しむきっかけづくりが必要です。また、東京2020大会の区内会場をはじめとする、レガシーを継承する取り組みも重要です。 (6)スポーツ施設の維持・管理・運営と利用促進 区立のスポーツ施設および小学校・中学校・義務教育学校の体育施設を適切に維持・管理・運営し、より多くの区民に安心して利用してもらうことが必要です。また、その他の公共施設をスポーツ活動の場所として有効活用できないか検討することも重要です。 (7)スポーツに関する情報発信 区民の4割が区の広報紙によりスポーツ関連情報を入手していました。引き続き、広報紙や町会回覧・掲示板などによる情報の発信を進めるとともに、区のホームページやSNS*などさまざまな発信方法により、すべての世代の区民がスポーツ関連情報を入手しやすい取り組みが求められています。 (8)スポーツ活動団体の自立支援 区内では4つの地域スポーツクラブが活動していますが、それぞれの認知状況をみると、いずれも知らない区民が8割代半ばとなっています。一方、過去1年間で1度でもスポーツを実施したが、週に1日未満に留まった人の集団である「不定期実施層」のうち、地域スポーツクラブに加入したいと思う人が6割代半ばとなっています。地域の人が加入する地域スポーツクラブや社会教育関係団体等が自主自立して運営できるように支援するとともに、区民の加入を促す取り組みが必要です。 また、スポーツ活動団体における運営の担い手の相互理解を推進するとともに、人材の発掘・育成に力を入れる取り組みが重要です。 (p.40) (9)地域スポーツの人材の養成と活用 スポーツ指導者に求める資質をみると、大人はスポーツの楽しみ方を伝えてくれることを重視している一方で、子どもはスポーツの楽しさに加えて、上手くなるための技術やほめてくれることを重視しています。大人と子どものそれぞれが求める資質を備えたスポーツ指導者を育成することが求められています。 区のスポーツボランティア実施率は、東京都や全国と比べて高くなっており、区民のスポーツを支える意識が高いと考えられます。このような特性を踏まえて、スポーツボランティアとしての活動の場を拡げるとともに、さらなる育成が必要です。 (10)スポーツ支援団体等や民間企業等との連携 区では、公益財団法人品川区スポーツ協会と品川区スポーツ推進委員がこれまで区の地域スポーツを牽引してきました。初心者でも、知り合いがいなくても取り組みやすい機会・環境の充実を区民が求めている実態などを踏まえつつ、区内でスポーツを実施する人が増えるために重点的に進めるべき施策について、これらのスポーツ支援団体等とより一層連携を深めることが重要です。 また、区内のスポーツに関係する民間企業や地域の団体とも幅広く連携を図っていくことが必要です。 (11)今後の社会経済状況を見据えたスポーツの推進 新型コロナウイルス感染症の感染拡大は、人々の生活様式を大きく変え、全ての世代の人々が外出自粛により、運動不足や体力の低下、人と人との交流の減少を余儀なくされている現状にあります。一方で、職場では在宅ワークやWeb会議の導入が進み、プロスポーツの現場ではオンライン配信による無観客試合が展開されるなど、ICTを活用した取り組みの事例が注目を集めています。 また、東京2020大会の開催決定や国連サミットにおけるSDGsの採択を契機に、性別、年齢、国籍、障害の有無にかかわらず、自分らしく能力を発揮できるような共生社会の実現に向けた取り組みが進められています。 このような社会経済状況の変化を踏まえ、進展するICTの技術や東京2020大会のレガシーなどを効果的に活用した取り組みを推進することにより、誰もがスポーツを楽しめるとともに、区民のつながりをより一層強くするための環境づくりを行うことが求められています。 (p.41) 第3章 計画の基本的な考え方 本文中において、特に解説が必要な語句等は、末尾に「*」を付していますので、用語解説ページを参照してください。 (p.42) 1.基本理念 区では、これまで品川区文化芸術・スポーツのまちづくり条例および品川区文化芸術・スポーツ振興ビジョンで示す考え方や指針に基づき、区民がスポーツに親しむことのできる施策を展開してきました。一方、スポーツを取り巻く社会経済状況や政策動向は大きく変化しており、区民のライフスタイルや価値観にも多大な影響を与えています。今後も著しく変化を続けると予想される状況の中で、区民一人ひとりがスポーツの価値を享受できるように、確固たる地域スポーツの基盤づくりを進めることが重要です。 また、品川区基本構想で掲げている「輝く笑顔 住み続けたいまち しながわ」という区の将来像を実現するべく、品川区長期基本計画とも整合性を図りながら、前述した区のスポーツに関する課題を解決するためのスポーツ施策を展開することが必要となります。 以上のことを踏まえ、本計画では、スポーツの持つ力により、区民一人ひとりが心身ともに健康でいきいきと自分らしく暮らすとともに、さまざまな人々や団体の交流を通じて、地域の中でにぎわいが創出されることにより、みんなが笑顔になることをめざし、「スポーツの力でつなぐ みんなの笑顔が輝くまち しながわ」を基本理念とし、実現に向けて取り組んでいくこととします。 (p.43) 2.基本目標 前章で示した区のスポーツを取り巻く課題を解決するとともに、「スポーツの力でつなぐ みんなの笑顔が輝くまち しながわ」という基本理念を実現するため、施策展開の方向性として、4つの基本目標を掲げ、施策を推進していきます。 基本目標1 誰もがスポーツに親しめる機会づくり すべての区民が健康で元気に活躍し、安心して暮らせるように、東京2020大会のレガシーを活用しつつ、「する」・「みる」という観点からスポーツに親しめる機会をつくります。 特にスポーツの実施状況に課題のあった子ども、働き盛り世代・子育て世代、高齢者、障害者については、スポーツに対する関心・行動の段階を考慮した取り組みを推進します。 具体的には、スポーツの魅力や楽しさを伝えて、興味・関心を高める取り組み、気軽に参加できる機会を設けてスポーツに親しむきっかけをつくる取り組み、スポーツを定期的に行える機会や活動意欲を高めるしくみにより、継続的な実施を促す取り組みなどに力を入れます。 基本目標2 気軽にスポーツを楽しめる環境づくり 区民が気軽にスポーツを楽しむためには、身近な場所で活動できるスポーツ施設の存在が不可欠です。区内には、複数の屋内・屋外スポーツ施設があります。これらのスポーツ施設を適正に維持・管理・運営するとともに、計画的に改修・整備を行います。 また、区民の活動の場を拡げるため、文化センター、中小企業センターなどの集会所系施設、健康センター、学校施設などの公共施設を有効活用し、多くの区民がスポーツのできる環境づくりを推進します。 さらに、広報紙、インターネット、テレビ等の多様な媒体の活用、公共施設や地域の掲示板などの身近な場所や資源の活用を通じて、スポーツに関する情報を発信し、スポーツに対する関心を高め、スポーツに親しむきっかけづくりを推進します。 (p.44) 基本目標3 区民のスポーツ活動を拡げる担い手づくり 区民がスポーツの楽しさにふれ、安全に活動を続けていくためには、区内のスポーツ活動団体や、スポーツ指導者、スポーツボランティア、スポーツ支援団体等が必要となります。 区内で活動するスポーツ団体がより一層自立して運営することができるように支援します。また、スポーツを「ささえる」立場であるスポーツ指導者やスポーツボランティアなどの人材の発掘・養成に力を入れるとともに、公益財団法人品川区スポーツ協会や品川区スポーツ推進委員などとの連携を強化します。 さらに、トップスポーツチームや民間企業等とも連携し、区民のスポーツ活動を支える担い手づくりの拡充に努めます。 基本目標4 新たな時代を笑顔でつなぐ スポーツの推進 国連サミットにおけるSDGsの採択や新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響など、これまでに例のない社会経済状況の変化を受け、今後、スポーツに係る取り組み方や環境づくりの多様化が拡大すると予想されます。 区では、これまでもさまざまな世代・立場の人々がいきいきと暮らす共生社会の実現に向けた取り組みを推進してきましたが、区民一人ひとりが自分らしく充実したスポーツライフを送ることができるよう、ICTの活用や多様なスポーツと出会う機会の創出を行い、性別、年齢、国籍、障害の有無にかかわらず誰もがスポーツを楽しめる環境づくりを推進します。 また、外出自粛の影響により、直接的な対面での交流機会が減少している状況下であっても、スポーツの持つ力と、区の資源を組み合わせることで、人と人、人と地域とのつながりをつくり、新型コロナウイルス感染症などの感染症との共存が求められる社会経済状況においても、区民が笑顔で暮らせるまちをめざします。 (p.45) 3.数値目標 国は、第2期スポーツ基本計画において、成人の週1回以上のスポーツ実施率を65%以上にすることを目標に掲げています。一方、東京都は、東京都スポーツ推進総合計画において、世界一の水準をめざすべく、成人の週1回以上のスポーツ実施率を70%にすることを目標に掲げています。 区では、全国的にも東京都の中でもより発展したスポーツ都市としてのまちづくりをめざすため、本計画において、成人の週1回以上のスポーツ実施率を70%以上とすることを目標に掲げます。 本計画の数値目標 【指標】成人の週一回以上のスポーツ実施率 現状値:57.6% 中間目標値(令和7年度):65%以上 最終目標値(令和12年度):70%以上 注)現状値は、令和元年度に実施した「品川区のスポーツに関するアンケート調査」の結果に基づいて、算出しています。 (p.46からp.47) 4.施策体系 基本理念 スポーツの力でつなぐ みんなの笑顔が輝くまち しながわ 基本目標1 誰もがスポーツに親しめる機会づくり 施策(1)子どものスポーツの推進 主な取り組み @スポーツの魅力を体感する機会の充実 A体を動かす楽しさにふれるきっかけづくりの推進 Bスポーツを通じて協調性や自信を育む機会の充実 C体力向上を図る取り組みの推進 施策(2)働き盛り世代・子育て世代のスポーツの推進 主な取り組み @気軽にスポーツに親しむきっかけづくりの充実 A親子で参加できる機会の充実 Bスポーツ習慣の定着化を図る取り組みの推進 施策(3)高齢者のスポーツの推進 主な取り組み @体を動かすきっかけづくりの推進 A取り組みやすいスポーツの機会の充実 B健康づくりの習慣化に向けた取り組みの推進 施策(4)障害者のスポーツの推進 主な取り組み @障害者が継続的に活動できる場の充実 A障害の種別や程度に応じて参加できる機会の充実 B障害者スポーツへの関心を高める取り組みの推進 施策(5)すべての区民に対するスポーツの推進 主な取り組み @生涯をとおして参加できる機会の充実 A東京2020大会のレガシーを継承する取り組みの推進 Bスポーツ観戦を促す取り組みの推進 基本目標2 気軽にスポーツを楽しめる環境づくり 施策(1)スポーツ施設の適正管理 主な取り組み @スポーツ施設の適正な管理運営 Aスポーツ施設の計画的な改修・整備 施策(2)公共施設の有効活用 主な取り組み @学校体育施設の利用を促す取り組みの推進 Aスポーツを楽しむ場づくりの推進 B東京2020大会のレガシーの活用 施策(3)スポーツに関する情報発信 主な取り組み @多様な媒体を活用した情報発信 A身近な場所や資源を活用した情報発信 基本目標3 区民のスポーツ活動を拡げる担い手づくり 施策(1)スポーツ活動団体の自立支援の推進 主な取り組み @地域スポーツクラブを支援する取り組みの拡充 A社会教育関係団体を支援する取り組みの推進 B少年少女スポーツ団体を支援する取り組みの充実 施策(2)地域スポーツの人材育成と活用 主な取り組み @スポーツ指導者の発掘・育成 Aスポーツボランティアの養成と活動機会の充実 施策(3)スポーツ支援団体等や民間企業等との連携 主な取り組み @スポーツ支援団体等との連携・協働 A民間企業やその他関連団体との連携 基本目標4 新たな時代を笑顔でつなぐ スポーツの推進 施策(1)スポーツライフの充実に向けた支援 主な取り組み @スポーツ活動の発信の場の構築 AICTを活用したスポーツ機会の提供 B新たなスポーツと出会う機会の創出 施策(2)スポーツの力による交流やにぎわいの創出 主な取り組み @交流機会の充実に向けた地域スポーツクラブの活動支援 A商店街や地元メディアとの連携によるまちのにぎわいの創出 Bスポーツの力を活かしたまちの魅力の発信 (p.49) 第4章 施策の展開 本文中において、特に解説が必要な語句等は、末尾に「*」を付していますので、用語解説ページを参照してください。 (p.50) 基本目標1 誰もがスポーツに親しめる機会づくり (1)子どものスポーツの推進 子どもの頃からスポーツに親しむことは、体の基礎や体力・運動能力を身に付け、他者との協調性や自信などを育み、大人になってからもスポーツを楽しみたいと思う気持ちを醸成することにもつながります。 子どもがスポーツの魅力を体感できる機会の充実や、遊びやレクリエーションを通じて体を動かす楽しさを実感できるきっかけづくりを推進します。また、体力の向上をはじめ、協調性や自信などを育みながら、継続的にスポーツに取り組む意欲を高めるため、日頃の活動の成果を発揮する機会や表彰する制度の充実を図ります。 @スポーツの魅力を体感する機会の充実 東京2020大会の区内開催競技であるビーチバレーボールやホッケー、応援競技であるブラインドサッカーを中心としたトップレベルのスポーツ観戦やアスリートとの交流をとおして、子どもたちがスポーツの魅力を感じ、スポーツに親しみたいという意欲を高めます。 主な事業例 ■トップレベル競技観戦ツアー 【オリンピック・パラリンピック準備課】 小中学生等を対象に日本スポーツ界の実力を肌で感じてもらうとともに、実際に競技を体験する観戦ツアーを実施する。 (p.51) A体を動かす楽しさにふれるきっかけづくりの推進 体を動かすことに対して「疲れる」や「苦手」などという意識をなくし、得意な動きを見つけ、できなかった動きができるようになった時の喜びを味わうきっかけづくりを推進します。 主な事業例 ■チャレンジスポーツ教室 【スポーツ推進課】 子どもが「体を動かすことの楽しさ」、「自分が得意な動き」を体感できるスポーツ教室を実施する。 ■少年少女スポーツ普及事業 【庶務課】 子どもの健全育成を図り、スポーツに親しむために、各校PTAが中心となった「校庭開放運営委員会」に委託して、子どもを主体とした各種スポーツ・レクリエーション事業を実施する。 (p.52) Bスポーツを通じて協調性や自信を育む機会の充実区内の少年少女スポーツ団体や地域スポーツクラブでの活動をとおして、他者と協同する力を培うとともに、全国大会に出場する子どもへの支援により、高いレベルでの競技経験を通じて、自信を深めることにつなげる機会を充実します。 主な事業例 ■少年少女スポーツ大会 【スポーツ推進課】 少年少女各種スポーツ大会を実施し、仲間づくりを通じて肉体的・精神的な健全育成を図る。 ■全国大会出場者支援事業 【スポーツ推進課】 18歳以下の少年少女が東京都大会等の予選、選考会を経て文化・スポーツの全国大会に出場する場合に助成金を交付する。 ■品川区文化・スポーツかがやき顕彰 【文化観光課】 全国的な規模の大会等に出場した少年少女を表彰し、横断幕や懸垂幕を作成・掲出し、地域や学校等の祝賀ムードを盛り上げるとともに、功績を広く区民に周知する。 ■ダンスフェスタ(児童センター合同事業) 【子ども育成課】 児童センターで活動中の小学生から高校生までを対象にダンスフェスタを開催し、練習成果発表と各チーム間の交流を図る。 (p.53) C体力向上を図る取り組みの推進 生涯にわたって健康でいきいきと生活するための基礎体力を身に付けるため、区立小学校・中学校・義務教育学校において、子どもの体力を定期的に把握し、向上を図る取り組みを推進します。 主な事業例 ■品川区スポーツトライアル 【教育総合支援センター】 運動の日常化を図るため、全学年を対象とした11種目の手軽にできる運動を設定し、全校で取り組む。 ■テクニカルアドバイザーの配置 【教育総合支援センター】 学級担任や保健体育科教員による課題別や少人数グループ指導等のための外部講師を配置し、主に体育学習や体育的活動等で模範演技、技術指導等を行う。 ■ワンミニッツエクササイズ 【教育総合支援センター】 ストレッチ系、バランス系、パワー系の3つについて、簡単に家庭でできる運動事例を示し、家庭や学校で取り組む。 ■東京都統一体力テストの実施 【教育総合支援センター】 全児童・生徒が新体力テストを実施し、体力の現状・課題を把握する。 (p.54) (2)働き盛り世代・子育て世代のスポーツの推進 働き盛り世代や子育て世代の人は、仕事や子育てなど、社会や家庭で担う役割が大きく、日常生活の中でスポーツに親しむ優先度が低くなりがちです。しかし、全体的なスポーツ実施率の底上げを図るためには、これらの世代のスポーツ実施率を高めることが重要です。 仕事や育児で忙しい人であってもスポーツに親しみやすいきっかけづくりを行うとともに、定着に向けた取り組みの充実を図ります。 @気軽にスポーツに親しむきっかけづくりの充実 仕事を抱えていても、子育てをしていても、就労時間の前後や育児の合間に、短い時間で取り組めるスポーツの周知や機会の充実を図ります。 主な事業例 ■スポーツ施設フリー利用(体育館事業) 【スポーツ推進課】 総合体育館・戸越体育館において、個人で参加でき、自主的にプレーを楽しめるスポーツ施設フリー利用を実施する。 ■スポーツ施設フリー利用(健康センター事業) 【健康課】 品川健康センター・荏原健康センターにおいて、オープンスクールへの参加および各種トレーニングマシンの利用ができるフリー利用を実施する。 (p.55) A親子で参加できる機会の充実 子どもと親が一緒に参加して、スポーツに取り組みながらコミュニケーションづくりを楽しむ機会の充実を図ります。また、大人を対象とした事業であっても、安心して子どもを預けることのできる環境づくりに努めます。 主な事業例 ■親子ジュニアスポーツフェスタ 【スポーツ推進課】 フェスタをとおし、親子でさまざまな種類のスポーツを体験し楽しむことで、スポーツに対する好奇心を高め、好きなスポーツを見つけるとともに、スポーツ習慣の定着を図る。 ■親子体操教室(体育館事業・各地域スポーツクラブ事業) 【スポーツ推進課】 親子で楽しめる体操教室を、総合体育館・戸越体育館や各地域スポーツクラブが学校施設などを活用して、定期的に実施する。 ■スポーツデビュープログラム 【スポーツ推進課】 スポーツをする機会の少ない子育て世代向けに、各種スポーツプログラムの教室を託児付きで実施する。 (p.56) Bスポーツ習慣の定着化を図る取り組みの推進 スポーツを含めた健康づくり活動にインセンティブを付与し、区民のスポーツ実施に対する継続意識を高めます。また、品川区スポーツ推進委員、区内で活動する地域スポーツクラブや社会教育関係団体と連携し、働き盛り世代・子育て世代が定期的にスポーツに取り組める場づくりを進めます。 主な事業例 ■しながわ健康ポイント事業 【健康課】 20歳以上の区民を対象に、運動を始めるきっかけや継続する動機付けとすることを目的に、健康づくり活動にインセンティブを付与するポイント制事業を実施する。 ■フリースポーツ・スポーツ教室(各地域スポーツクラブ事業) 【スポーツ推進課】 4地区の地域スポーツクラブで、卓球、バドミントンなどの競技種目からヨガ、体操などの心身の健康の維持・増進につながる運動まで、一人でも参加できるさまざまなフリースポーツやスポーツ教室を開催し、区民一人ひとりが自分の時間やライフスタイルに合わせて、継続的にスポーツに取り組める環境を整備する。 (p.57) (3)高齢者のスポーツの推進 高齢者にとってスポーツは、心身の健康の維持・増進につながるとともに、いきがいづくりや仲間づくりにも寄与する重要な活動です。さらに、介護予防やフレイル予防などにも良い効果が期待できます。 高齢者のスポーツ実施状況をみると、実施している人と実施していない人の二極化傾向が確認できることから、実施していない人が気軽に体を動かすきっかけづくりや機会の充実を図るとともに、健康づくりのための身体活動を習慣化する取り組みを推進します。 @体を動かすきっかけづくりの推進 スポーツを主目的とした教室だけでなく、スポーツを主目的としない高齢者が参加するイベントや教室の中で、体操やトレーニングなどの機会を設け、体を動かすきっかけづくりを推進します。 主な事業例 ■ふれあい健康塾 【健康課】 65歳以上の閉じこもりがちな高齢者を対象に、地区健康づくり推進委員会の活動として、お楽しみプログラム(歌・頭の体操等)と健康体操をあわせた事業を実施する。 ■しながわ出会いの湯 【健康課】 65歳以上の区民を対象に、区内の公衆浴場で、お楽しみプログラム(健康体操・カラオケ等)と入浴サービスをあわせた事業を実施する。 ■シルバー大学 【文化観光課】 うるおい塾(春・秋期)において、各期に開催される教室の中で、運動系の教室を取り入れて実施する。 ■スポーツデビュープログラム【再掲】 【スポーツ推進課】 スポーツをする機会の少ない高齢者向けに各種スポーツプログラムの教室を実施する。 (p.58) A取り組みやすいスポーツの機会の充実 加齢に伴い自身の体力や動きに自信がなくても、楽しくスポーツに取り組める場づくりの充実を図ります。 主な事業例 ■健康塾 【健康課】 60歳以上の区民を対象に、シルバーセンターや区民集会所等を会場として、週1回の体操教室を実施する。 ■トリムスクール 【健康課】 中高年の区民を対象に、品川健康センター・荏原健康センターを会場として、トリム体操教室を実施する。 ■高齢者輪投げ大会 【高齢者地域支援課】 60歳以上の区民を対象に、区主催の輪投げ大会を開催し、気軽にスポーツに取り組める場を提供する。 (p.59) B健康づくりの習慣化に向けた取り組みの推進 区内をコースとしたウオーキングイベントや、ストレッチ体操や健康遊具を用いた運動の教室などをとおして、体を動かす習慣化を促し、健康づくりや介護予防に向けた取り組みを推進します。 主な事業例 ■いきいきウオーキング 【スポーツ推進課】 高齢者がスポーツに親しみ、継続できるプログラムを提供するためのウオーキングイベントを実施する。 ■高齢者グラウンドゴルフ大会 【高齢者地域支援課】 高齢者クラブおよび60歳以上の区民を対象としたグラウンドゴルフ大会を開催する。 ■カラダ見える化トレーニング 【高齢者地域支援課】 民間フィットネスジム等で、筋力や歩行姿勢などを専用機器で測定して“見える化”し、「感覚」ではなく客観的なデータに基づくトレーニング教室を実施する。 ■健康やわら体操 【高齢者地域支援課】 柔道整復師による、楽しみながら柔軟性・バランス能力・筋力をアップさせるストレッチを基本とした体操教室を実施する。 ■うんどう教室 【高齢者地域支援課】 公園等に設置した健康遊具を使って、日常生活に必要な筋力や体力の維持・向上を図るためのうんどう教室を実施する。 (p.60) (4)障害者のスポーツの推進 障害者が自ら主体的に生活のあり方を選択・決定していくことが最大限尊重され、障害のある人もない人も地域で共に生き、共に暮らしていく共生社会の実現が求められています。 スポーツ活動を通じて、障害者が主体的に自らのライフスタイルを豊かなものとするため、どのような障害があっても継続的に活動できる場を充実するとともに、気軽にスポーツに親しめる機会の充実を図ります。 また、東京2020大会の開催決定を契機に、障害者スポーツの気運が高まっています。障害者のスポーツを推進するためには、障害の種別および程度に応じた配慮が求められることから、これまで醸成してきた障害者スポーツの気運を維持し、さらに関心を高める取り組みを推進することにより、障害者理解を深めることにつなげていきます。 @障害者が継続的に活動できる場の充実 障害者のスポーツ活動は、さまざまな制約により実施できる場所が限られてしまうため、継続的にスポーツを実施することが困難な傾向にあります。主な区立スポーツ施設や学校施設の開放により、地域の身近な場所で障害者が継続的にスポーツに取り組める場の充実を図ります。 主な事業例 ■障害者水泳教室 【スポーツ推進課】 障害者を対象とした水泳教室を定期に実施し、継続的なスポーツ活動の機会を提供する。 ■障害者水泳大会 【スポーツ推進課】 日頃の練習の成果発表の場として、障害者を対象とした水泳大会を開催する。 ■障害者スポーツ教室・フリー利用 【スポーツ推進課】 総合体育館・戸越体育館において、障害者と健常者が一緒にスポーツを楽しみ交流する教室やフリー利用を定期に実施する。 (p.61) A障害の種別や程度に応じて参加できる機会の充実 「障害者」といっても一人ひとりの症状や程度がさまざまであるため、体を動かすことのできる範囲が異なります。このような障害者の特性に柔軟に対応し、どのような種別や程度であっても、参加しやすい機会の充実を図ります。 主な事業例 ■地域交流スポーツ大会(各地域スポーツクラブ事業) 【スポーツ推進課】 地域スポーツクラブで、障害のある人もない人も一緒に参加できるグラウンド・ゴルフやソフトバレーボールの大会を開催し、障害者がスポーツに親しむ機会の充実を図るとともに、地域での交流を促進する。 ■みんなで走ろう!fun run & walk 【スポーツ推進課】 知的障害のある小学生以上の方を対象として、ランニング・ウオーキング教室を実施し、体を動かすきっかけづくりを行う。 ■障害者フライングディスク教室 【スポーツ推進課】 知的障害のある小学生以上の方を対象としたフライングディスク教室を実施する。 ■障害者スポーツ指導者派遣事業 【スポーツ推進課・障害者福祉課】 区内の福祉施設等に障害者スポーツ指導員等を派遣し、気軽に楽しめるスポーツ体験会を行う。 (p.62) B障害者スポーツへの関心を高める取り組みの推進 東京2020大会の応援競技であるブラインドサッカーをはじめ、パラリンピック競技種目を観戦し、体験する機会をとおして、障害者スポーツへの関心を高めます。また、障害のある人もない人も一緒に参加できる障害者スポーツのイベントをとおして、障害者理解を深めることにつなげます。 主な事業例 ■パラリンピック啓発イベント 【オリンピック・パラリンピック準備課】 パラリンピック啓発を目的とした講演会およびパラリンピック競技の体験会を実施する。 ■ブラインドサッカー公式戦(国内大会・国際大会) 【オリンピック・パラリンピック準備課】 ブラインドサッカーの公式戦開催を通じて、障害者スポーツへの理解を深めるとともに、パラリンピックの認知度を向上させる。 ■障害者スポーツチャレンジデー 【スポーツ推進課・障害者福祉課】 障害のある人もない人も、「いつでも、どこでも、だれでも、いつまでも」スポーツを楽しむことのできる地域社会をめざした、障害者スポーツの体験会を実施する。 ■ユニバーサルスポーツフェスタ 【スポーツ推進課】 障害のある人もない人も、子どもから高齢者まで誰もが、スポーツを楽しめる地域社会の形成を目的とし、さまざまなスポーツ・レクリエーションを体験できるスポーツイベントを実施する。 (p.63) (5)すべての区民に対するスポーツの推進 幅広い世代に対してスポーツに親しむ機会を提供するためには、初心者であっても取り組みやすく、知り合いがいなくても参加しやすい環境づくりが重要です。 身近な場でさまざまな世代の区民が生涯をとおしてスポーツに親しめる機会の充実を図ります。また、すべての世代の区民がスポーツにふれるきっかけとなることをねらいとして、東京2020大会のレガシーを継承した取り組みやスポーツ観戦を促す取り組みを推進します。 @生涯をとおして参加できる機会の充実 日頃からスポーツをしていなくても、初心者であっても、知り合いがいなくても、スポーツに取り組める機会をつくります。また、日頃から活動している区民がその成果を発揮できる場づくりも進めることで、生涯をとおしてスポーツに親しめる機会の充実を図ります。 主な事業例 ■区民スポーツ大会 【スポーツ推進課】 公益財団法人品川区スポーツ協会およびその加盟団体(29団体)と連携し、区民スポーツの祭典としての大会を開催し日頃の成果を発揮するとともに、参加者間の親睦を図り、区民スポーツを推進する。 ■しながわ体操 【スポーツ推進課】 品川区独自のしながわ体操の無料出前教室等を行い、より身近で気軽にスポーツができる環境づくりをめざす。 ■トリムフェスティバル 【健康課】 区民の運動促進を図る取り組みとして、品川区トリム体操連盟との共催により、体を動かす楽しさを伝える体操のイベントを開催する。 (p.64) A東京2020大会のレガシーを継承する取り組みの推進 区では東京2020大会の開催競技であるビーチバレーボールとホッケー、応援競技であるブラインドサッカーの普及・啓発を図っています。また、区立小学校・中学校・義務教育学校においては、オリンピック・パラリンピック教育を推進しています。このように、東京2020大会の開催決定を契機にこれまで進めてきたレガシーを継承する取り組みを推進します。 主な事業例 ■ホッケー教室、ブラインドサッカー出前体験教室、ビーチバレーボール体験教室 【オリンピック・パラリンピック準備課】 区内開催競技・応援競技の体験教室を通じて、競技の認知度向上および障害者スポーツへの理解を深める。 Bスポーツ観戦を促す取り組みの推進 区内の運動施設にトップレベルの大会やスポーツイベントを誘致するなど、トップアスリートが参加する競技の観戦を促す取り組みを行います。 区には、東京2020大会の開催競技であるビーチバレーボールとホッケーの会場があります。また、ブラインドサッカーを応援競技と位置付けていることから、これらの競技の観戦を促す取り組みを行います。 主な事業例 ■ビーチバレーボール国内大会 【オリンピック・パラリンピック準備課】 区内開催競技の大会開催を通じて、東京2020大会のレガシーとして、ビーチバレーボールの認知度を向上させる。 ■ブラインドサッカー公式戦(国内大会・国際大会)【再掲】 【オリンピック・パラリンピック準備課】 ブラインドサッカーの公式戦開催を通じて、障害者スポーツへの理解を深めるとともに、パラリンピックの認知度を向上させる。 (p.65) 基本目標2 気軽にスポーツを楽しめる環境づくり (1)スポーツ施設の適正管理 区民がスポーツを日常的かつ安全に実施するためには、身近なスポーツ施設の存在が不可欠です。屋内・屋外スポーツ施設の適正な維持・管理・運営および計画的な施設の充実に努めます。 @スポーツ施設の適正な管理運営 区民のスポーツ活動の拠点となる総合体育館や戸越体育館をはじめ、野球場やテニスコートなどのある公園、文化センターの体育館などの区立のスポーツ施設や学校体育施設を適切に維持・管理・運営し、より多くの区民の利用を促します。 主な事業例 ■区立体育館の管理運営 【スポーツ推進課】 総合体育館、戸越体育館の施設の維持管理を適正に行い、誰もが気軽に運動できるよう、各種スポーツ教室の開催および施設の貸出を行う。 ■公園・児童遊園の維持管理 【公園課】 区内の公園・児童遊園・緑地等(運動施設を含む。)を、常に良好な状況で利用できるように維持管理する。 ■健康センターの管理運営 【健康課】 品川健康センター・荏原健康センターを管理運営し、ジム設備やプレイコートなど日常的に体を動かせる環境を整えるとともに、楽しみながら参加できる各種運動教室を開催する。 ■学校施設の維持管理 【庶務課・学務課】 区立の学校施設を良好な状況で利用できるように維持管理する。 (p.66) Aスポーツ施設の計画的な改修・整備 スポーツ施設を安心して利用できるように、老朽化に伴う改修や、利便性・安全性を高めるための整備を図ります。また、障害があっても利用しやすいように、施設のバリアフリー化に努めるとともに、区民のスポーツの場をより一層拡大するため、新たなスポーツ施設の設置についても計画的に進めます。 主な事業例 ■品川区文化スポーツ施設長寿命化計画の策定・運用 【スポーツ推進課】 スポーツ施設の適切な維持管理および長寿命化を図るための計画を策定し、計画的な修繕および改修を行う。 ■スポーツ施設の計画・整備 【スポーツ推進課・施設整備課】 「みる」スポーツの充実もめざしたスポーツ施設の計画・整備を行う。 (p.67) (2)公共施設の有効活用 区内には、総合体育館・戸越体育館などの総合スポーツ施設をはじめ、公園運動施設、文化センター、品川健康センター・荏原健康センターなどのスポーツ関連施設があります。 また、このようなスポーツ関連施設のほかにも、学校施設の校庭・体育館・温水プール等や児童センター、多目的広場など、スポーツを実施できる公共施設があります。区内でスポーツのできる施設をより多くの区民に利用してもらうため、区内公共施設を有効活用し、スポーツの場を拡げていくことに努めます。 @学校体育施設の利用を促す取り組みの推進 区立の小学校・中学校・義務教育学校等と、その利用調整の役割を担う地域スポーツクラブと連携し、区民の学校体育施設の利用を促します。 主な事業例 ■学校体育施設開放 【スポーツ推進課】 各地域スポーツクラブが開催する利用調整会議を通じて、社会教育関係団体等に学校の校庭、体育館等の貸出しを行うとともに、区民に学校温水プールおよび学校プール(夏季)の一般開放を行う。 ■校庭開放(遊び場開放) 【庶務課】 日曜・祝日・学校休業日において、各校PTAが中心となった「校庭開放運営委員会」に委託して、小学校・義務教育学校の校庭を子どもの遊び場として開放する。 (p.68) Aスポーツを楽しむ場づくりの推進 区内には、区立スポーツ施設以外にも、児童センターや特別養護老人ホームなど、多目的室や体育館が設置されている公共施設があります。このような公共施設は、子どもや高齢者にとって身近な場所であることから、利用状況を把握し、スポーツに親しむ場として活用します。 主な事業例 ■八潮多目的広場の開放 【スポーツ推進課】 八潮多目的広場を学校、社会教育関係団体等に開放し、スポーツ活動の場として有効活用する。 ■特別養護老人ホーム地域交流室運営 【福祉計画課】 八潮南・杜松特別養護老人ホームの地域交流室・体育館・グラウンドを地域に開放し、地域活動の活性化を促す。 B東京2020大会のレガシーの活用 東京2020大会のレガシーとして、区内競技の会場となる施設を東京都と連携を図り、有効活用します。 主な事業例 ■大井ホッケー競技場の有効活用 【スポーツ推進課】 東京2020大会の終了後、都立大井ふ頭中央海浜公園内の大井ホッケー競技場を有効活用できるよう東京都に働きかけを行う。 (p.69) (3)スポーツに関する情報発信 区民のスポーツに対する関心を高め、参加を促すためには、適切かつタイムリーな情報を入手しやすいように、多様な媒体で発信することが重要です。 広報紙をはじめ、ふれあい掲示板、区ホームページ、ケーブルテレビ品川、FMしながわ、ツイッター・フェイスブック・LINEなどのメディアを通じて、各種スポーツイベント、地域スポーツクラブなどのスポーツ団体の情報を発信します。 また、公益財団法人品川区スポーツ協会、地域スポーツクラブなどのスポーツ団体がそれぞれの活動内容や実施事業について、ホームページなどの媒体により、情報発信を行います。 @多様な媒体を活用した情報発信 区民が区のスポーツ関連情報を入手している方法として「広報しながわ」が最も多くあげられました。今後も「広報しながわ」による周知を続けるとともに、ツイッター・フェイスブック・LINEの活用、ユーチューブでの配信、しながわ情報メール「しなメール」*の配信などにより、幅広い世代の区民に対して、多様な方法でスポーツ関連情報を届けます。 主な事業例 ■「広報しながわ」による情報発信 【広報広聴課】 「広報しながわ」により、各種スポーツイベントや地域スポーツクラブ事業に関する情報発信を充実させる。 ■ケーブルテレビ品川による情報発信 【広報広聴課】 ケーブルテレビ品川の区広報番組「しながわホットほっと」において、各種スポーツイベントやしながわ体操などの情報発信を充実させる。 ■品川区公式SNSによる情報発信 【広報広聴課】 ツイッター・フェイスブック・LINE、しなメール等により、各種スポーツイベントの情報発信を充実させる。 ■「FMしながわ」による情報発信 【広報広聴課】 「FMしながわ」内の区広報情報番組「ほっとラジオしながわ」において、各種スポーツイベントの情報やしながわ体操を放送する。 (p.70) A身近な場所や資源を活用した情報発信 区立施設のデジタルサイネージ*やふれあい掲示板への掲示、チラシ・パンフレットの配布を通じて、スポーツに親しむ機会に関する情報提供を行います。 また、品川区スポーツ推進委員や地域スポーツクラブと連携し、区で開催するスポーツイベントやスポーツ教室の情報をはじめ、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた新たな施設の利用ルールなどについても、区民にもれなく周知できるよう努めます。 主な事業例 ■「統合ポスター・チラシ」による情報発信 【広報広聴課】 区内のふれあい掲示板のポスター、町会に配布しているチラシを活用して、各種スポーツイベントの情報発信を行う。 ■「デジタルサイネージ」による情報発信 【広報広聴課】 区立施設の「デジタルサイネージ」において、総合体育館・戸越体育館の教室・予約状況のほか、各種スポーツイベントやしながわ体操などの情報発信を行う。 (p.71) 基本目標3 区民のスポーツ活動を拡げる担い手づくり (1)スポーツ活動団体の自立支援の推進 区民が身近で継続的にスポーツに親しむためには、地域スポーツクラブをはじめ、社会教育関係団体、少年少女スポーツ団体など、スポーツを実施することのできる受け皿となるスポーツ活動団体の存在が重要です。 これらのスポーツ活動団体は、自らの団体の特性を活かし、加入者のニーズに応じてスポーツ活動を実施してきました。今後も継続して活動を充実させるため、スポーツ活動団体に対する自立支援を行います。 @地域スポーツクラブを支援する取り組みの拡充 すでに活動している地域スポーツクラブが、今後も区民の手により自立して活発な運営が進められるように、幅広く周知を図るとともに、定期的な活動場所の確保や運営支援などを拡充します。 主な事業例 ■地域スポーツクラブの活動支援 【スポーツ推進課】 地域スポーツクラブに対し、広報活動の支援や区からの情報提供を行うとともに、品川区スポーツ推進委員の参画を促すなど、組織運営の支援を行う。 (p.72) A社会教育関係団体を支援する取り組みの推進 自主的にスポーツを行うグループ・サークルである社会教育関係団体に対して、区立スポーツ施設や学校体育施設、文化センターなどの優先申込みや使用料の減額を行うなど、活動の活発化に向けた支援を行います。 主な事業例 ■社会教育関係団体の登録 【文化観光課】 団体の育成と区民参加の促進を図るため、団体の登録制度を設けて、希望する区民等に活動内容や団体等の情報を提供するとともに、団体が活動を行う際に、文化センター・学校施設等の施設優先申込みや使用料の減額を行い、活動機会の拡充を図る。 B少年少女スポーツ団体を支援する取り組みの充実 区内で活動する少年少女スポーツ団体が、子どもに対してスポーツの楽しさや魅力を伝える場として充実するとともに、各団体が取り組んでいる競技の普及啓発や技術力向上を図れるよう支援します。 主な事業例 ■少年少女スポーツ普及支援事業助成 【スポーツ推進課】 区内にある少年少女スポーツ団体等が、区内少年少女を対象としたオリンピック・パラリンピック公式種目または各団体が取り組んでいる種目の強化を図るための教室や講演会などの事業を開催する際に、区が助成を行う。 (p.73) (2)地域スポーツの人材育成と活用 区民が生涯を通じて、安全で豊かなスポーツライフを送るためには、指導者の存在が欠かせません。多くの区民がスポーツに親しみ、楽しく活動できるように、正しい知識と技能を備えた人材の養成と、そのスキルを活かせる機会の充実を図ります。 これまで区のスポーツ活動を支えてきた品川区スポーツ推進委員に加えて、今後開催する大会やイベントをより一層充実させるために、区内のスポーツ活動を支える人材の養成・活用が必要です。区民によるスポーツボランティアを増やす取り組みや、区にゆかりのあるトップアスリートの招へいなどを行います。 @スポーツ指導者の発掘・育成 大人であっても、子どもであっても、スポーツの価値や楽しみ方を伝えることのできる指導者は必要です。また、技術を高める指導力に加え、最近、社会の関心を集めているスポーツ・インテグリティや熱中症の予防、応急手当などの知識を備えたスポーツ指導者を発掘・育成します。 主な事業例 ■スポーツ指導者養成事業 【スポーツ推進課】 「スポーツの楽しさ、素晴らしさ」を子どもたちに伝えられる指導者を養成するための講習会を開催する。 ■青少年健全育成表彰 【スポーツ推進課】 青少年のスポーツ活動において功績が認められた育成者を表彰することにより、青少年の健全育成に携わる指導者層の拡大につなげる。 (p.74) Aスポーツボランティアの養成と活動機会の充実 区では、全国や東京都と比べて多くのスポーツボランティアが活動しています。今後も、区で開催するスポーツイベント等の応援や運営を担い、競技者と一緒にスポーツを楽しむスポーツボランティアの養成を図ります。 また、すでに活動しているスポーツボランティアの活躍の機会を拡充するとともに、新たにスポーツボランティアとして活動する区民を増やすため、きっかけづくりや、一人でも短時間でも参加できる機会づくりに力を入れて取り組みます。 主な事業例 ■品川区ボランティア「しな助」 【オリンピック・パラリンピック準備課】 区主催の東京2020大会の機運醸成イベント等において、区民や区内団体を中心としたボランティア「しな助(しなすけ)」が支援活動を行う。 ■生涯学習ボランティア保険制度 【文化観光課】 社会教育関係団体として登録されている少年少女団体の指導者・育成者などのボランティアを対象に、活動中に発生した事故を保証する制度を設け、活動を支援する。 (p.75) (3)スポーツ支援団体等や民間企業等との連携 区は、これまで公益財団法人品川区スポーツ協会とその加盟団体、品川区スポーツ推進委員などのスポーツ支援団体等と協力し、区民のスポーツ推進を図ってきました。今後もより一層の連携を図り、地域スポーツを推進します。 区内でスポーツにゆかりのある民間企業や一般社団法人しながわ観光協会などと連携し、区民がスポーツに親しむ機会や場の充実や、スポーツツーリズム*の推進を図ります。 @スポーツ支援団体等との連携・協働 スポーツ支援団体等である公益財団法人品川区スポーツ協会や品川区スポーツ推進委員と連携し、区民が身近な場所でスポーツを楽しめるように、各種スポーツ教室や大会の開催、地域住民同士の交流を目的としたレクリエーションの機会づくり、加盟団体への助成などを行います。 主な事業例 ■品川区スポーツ協会助成 【スポーツ推進課】 公益財団法人品川区スポーツ協会の健全な運営と発展を図るため、同協会に対し、必要な助成を行い、区のスポーツ推進を図る。 ■品川区スポーツ推進委員との連携 【スポーツ推進課】 スポーツ・レクリエーションの振興、地域スポーツ組織の育成など生涯スポーツ社会の実現に向けて、品川区スポーツ推進委員と連携を図り、区民やスポーツ活動団体の活動を支援する。 (p.76) A民間企業やその他関連団体との連携 品川区を活動拠点とするトップスポーツチーム、健康づくりの観点から従業員にスポーツを推進する民間企業、身近な地域で活動する区民団体、観光事業への一環でスポーツを取り入れている一般社団法人しながわ観光協会などと幅広く連携し、多角的に地域スポーツの推進等を図ります。 主な事業例 ■ブラインドサッカーチームとの交流 【オリンピック・パラリンピック準備課】 品川区をホームタウンとするブラインドサッカーチームを支援し、区民との交流を通じてともに応援することで、地域の活性化を図る。 ■品川区青少年対策地区委員会事業 【地域活動課】 区から委嘱された地区委員が青少年の健全育成のため、運動会、親子キャンプ、ラジオ体操、各種スポーツ大会などの事業を実施する。 (p.77) 基本目標4 新たな時代を笑顔でつなぐ スポーツの推進 (1)スポーツライフの充実に向けた支援 スマートフォンやタブレットの急速な普及により、インターネットを介して情報を送受信しやすい環境が充実してきています。個人で実施したスポーツの活動の記録や様子をWeb上に残すことができるしくみや、スポーツ教室のオンライン配信、大規模なスポーツイベントのリモート観戦などのしくみの構築を通じて、スポーツの多様な取り組みを実現できるよう支援します。 また、東京2020大会の開催決定やICT技術の進展により関心が高まっている都市型の環境下においてでもできるスポーツや、電子機器を用いたスポーツなど、新しいスポーツと区民をつなげる取り組みを推進します。 @スポーツ活動の発信の場の構築 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、三密(密閉・密集・密接)を避けながら取り組めるスポーツとして、自宅での体操やトレーニング、個人でのランニングやウオーキングなどが関心を集めています。このような活動の様子や結果を共有できるプラットフォームを構築し、スポーツを実施している区民相互のつながりを創出する取り組みを推進します。 主な事業例 ■しながわ健康ポイント事業【再掲】 【健康課】 ウオーキング記録(歩数)のアップロードや健診受診などによりポイントを貯め、ポイントに応じた景品と交換できるしくみを通じて、区民の運動促進を図る。 ■オンラインダンス教室 【スポーツ推進課】 少年少女を対象に自宅で楽しめるオンラインでのダンス教室を実施する。 AICTを活用したスポーツ機会の提供 従来、スポーツ施設や健康センターなどで実施してきたスポーツ教室などのコンテンツを、オンライン配信で区民に提供するしくみをつくります。 また、大規模スポーツイベントをリモートで観ることのできる環境づくりを検討していきます。 主な事業例 ■オンラインホッケー教室 【オリンピック・パラリンピック準備課】 Web会議サービスを利用し、オンライン上でホッケー教室を実施する。 (p.78) B新たなスポーツと出会う機会の創出 東京2020大会において新たに正式競技として加わったスポーツクライミングなどのアーバンスポーツ*や電子機器を活用したスポーツなど、新たなスポーツの楽しみ方の普及啓発や体験機会の充実を図ります。 主な事業例 ■ボルダリングウォールの設置 【子ども育成課】 児童センターの一部において、ボルダリングウォールを設置し、子どもたちが新しいスポーツを体験できるような環境を整備する。 ■スラックラインイベントの実施 【子ども育成課】 児童センターの一部において、スラックラインを実施し、年1回、幼児親子から高校生までを対象に「スラックライン ライド オン フェス」を開催し、スラックラインの体験、練習成果の発表をする。 (p.79) (2)スポーツの力による交流やにぎわいの創出 スポーツは、人と人、人と地域との交流を促し、地域の一体感や活力を醸成する力を持つと期待されています。地域スポーツクラブがその力を最大限に引き出すことができるように、スポーツをとおして交流の機会をつくる取り組みが充実するよう支援を行います。 区内には、複数の活気ある商店街や、地域に密着した情報を発信する地元メディアが存在します。このような区の商店街や地元メディアと連携し、スポーツの力を活かしてまちの一体感やにぎわいを創出します。 また、スポーツの力を活かして、品川区のまちの魅力を発信する取り組みを進めます。 @交流機会の充実に向けた地域スポーツクラブの活動支援 地域スポーツクラブは、その前身であるスポ・レク推進委員会の頃より、区民による自主的・自発的な地域スポーツ交流事業を展開し、人と人との交流の創出や連帯感の高揚などに寄与する役割を担う組織として活動してきました。 障害者を含めた子どもから高齢者までの多様な区民がスポーツを楽しむことができ、交流の場や機会の創出に向けた取り組みが充実するように、地域スポーツクラブの活動を支援します。 主な事業例 ■地域スポーツクラブ事業を通じた地域交流支援 【スポーツ推進課】 4地区の地域スポーツクラブが開催する各種スポーツ教室や多世代が交流するイベント事業を区が支援することにより、さまざまな世代の区民が地域スポーツを通じて交流を図る。 (p.80) A商店街や地元メディアとの連携によるまちのにぎわいの創出 区内には、区民の生活とにぎわいの中心である、数多くの商店街が存在しています。また、地域に密着し、特色を活かした番組づくりを進めているケーブルテレビ品川やFMしながわなどの地元メディアがあります。 区内の商店街や地元メディアと一層の連携を図り、区内のスポーツ活動団体のPRや活動機会の創出、区主催のスポーツイベントの周知などを協力して行うことで、地域の一体感を醸成し、スポーツを通じたまちのにぎわいを創出します。 主な事業例 ■商店街やケーブルテレビ品川との連携支援 【スポーツ推進課・環境課】 まちのにぎわいの創出のため、品川区商店街連合会が実施している各種スポーツ大会の支援を行う。また、ケーブルテレビ品川を活用し、少年少女スポーツ団体や地域スポーツクラブの活動を特集してもらい、各団体のPRや地域のにぎわい創出を行う。 Bスポーツの力を活かしたまちの魅力の発信 近年、時間や場所を選ばず楽しむことのできるランニングの需要が増えており、スポーツという視点だけでなく、観光・シティプロモーションとしても期待されるシティマラソンの人気が高まっています。 東京2020大会のレガシーとして、品川区ならではの観光資源やコースを取り入れたシティマラソン大会を検討し、開催することにより、スポーツの力を活かして、品川区の魅力を区内外に向けて発信します。 主な事業例 ■シティマラソン大会実施に向けた調査検討 【スポーツ推進課】 現在、区民スポーツ大会の1種目として実施するマラソン大会について、観光・シティプロモーションの視点を取り入れたコースの見直し等を検討し、シティマラソン大会としてリニューアルを図る。 (p.81) 第5章 計画の推進 (p.82) 1.推進体制 本計画に定める「スポーツの力でつなぐ みんなの笑顔が輝くまち しながわ」の基本理念の実現に向けて、区民、スポーツ活動団体、スポーツ支援団体等、民間企業や関係機関および区のそれぞれの主体が連携を図り、体系化した施策・取り組みを着実に推進します。それぞれの主体に期待される役割は、次のとおりです。 (1)区民 区民自身のライフステージや体力を踏まえて、「する」「みる」「ささえる」の観点から自分に適したスポーツの楽しみ方を見つけ、主体的にスポーツに親しむことが期待されます。これまでスポーツを実施していない区民には、スポーツの持つ価値や魅力を理解し、積極的にスポーツに取り組むきっかけをつかむ姿勢が求められます。一方、現在、スポーツを実施している区民には、より定期的かつ継続的に活動を充実させるとともに、人や地域とのつながりを築くことが求められます。 (2)スポーツ活動団体 区には、地域スポーツクラブや社会教育関係団体、少年少女スポーツ団体などのスポーツ活動団体があります。スポーツ活動団体には、自主自立の運営のもと、多くの区民が自身の志向に応じて定期的かつ継続的に活動する場としての役割と、区民の交流拠点となる場としての役割が期待されます。 (3)スポーツ支援団体等 区には、公益財団法人品川区スポーツ協会や品川区スポーツ推進委員といったスポーツ支援団体等があります。スポーツ支援団体等には、今後も地域におけるスポーツ推進の担い手として、区や学校、民間企業等と円滑に連携を図りながら、多くの区民がスポーツに親しめる機会の拡充や環境の充実を図ることが期待されます。 (p.83) (4)民間企業や関係機関 区立スポーツ施設の運営を受託している事業者をはじめ、スポーツクラブを営む事業者、従業員に対してスポーツを積極的に推進している事業者などの民間企業と、健康や観光分野などの関係機関には、その専門的なノウハウやネットワークを活かしながら、区内のスポーツ支援団体等や区と連携し、多様化する区民のスポーツニーズに対応することが期待されます。 (5)区 本計画で定めた基本理念の実現に向けて、区民、スポーツ活動団体、スポーツ支援団体等、民間企業や関係機関とさらなる連携を図り、体系化した施策・取り組みを着実に推進します。 2.進行管理 本計画で体系化した施策・取り組みが適切に実施できているかどうか、毎年進捗状況を確認し、進行管理を行います。 また、本計画の中間年である令和7(2025)年度を目途として、社会経済状況やスポーツを取り巻く状況の変化を踏まえ、効果的にスポーツ施策が展開できるように計画内容の見直しを図ります。 (p.85) 参考資料 (p.86) 1.品川区スポーツ推進計画策定委員会 (1)委員名簿 委員長  柳沢 和雄 筑波大学名誉教授 副委員長 川邊 保孝 東海大学体育学部准教授 委員   佐藤 仁  東京都障害者スポーツ協会スポーツ振興部長 委員   梅沢 豊  公益財団法人品川区スポーツ協会理事長 委員   飴本 公子 品川区スポーツ推進委員会会長 委員  矢田 雅久 戸越小学校校長 委員   野口 敏朗 東海中学校校長(令和2年3月31日まで) 委員  黒田 佳昌 東海中学校校長(令和2年4月1日から) 委員  豊島 呈次 品川区小学生バレーボール連盟会長 委員  大上 好江 品川区手をつなぐ育成会 委員   伏見 敏博 品川区身体障害者友和会 委員  長田 延子 品川区トリム体操連盟理事長 委員  島本 光男 公募区民 委員  飯島 雪江 公募区民 委員  安藤 正純 文化スポーツ振興部長(令和2年3月31日まで) 委員  山崎 修二 文化スポーツ振興部長(令和2年4月1日から) 委員   本城 善之 教育委員会事務局教育次長(令和2年3月31日まで) 委員   齋藤 信彦 教育委員会事務局教育次長(令和2年4月1日から) (p.87) (2)開催経過 回数:第1回 開催日程:令和元年8月2日 主な議事:〇品川区スポーツ推進計画の策定について 〇策定スケジュールについて 〇調査について 回数:第2回 開催日程:令和元年11月5日 主な議事:〇区民等アンケート調査の調査概要および速報結果 〇計画策定に向けたアンケート調査の分析方針(案) 〇計画策定に向けたヒアリング調査の実施方針(案) 〇国や東京都のスポーツに関する政策動向 〇品川区長期基本計画素案(案) 回数:第3回 開催日程:令和2年2月5日 主な議事:〇区民等アンケート調査結果からの課題について 〇ヒアリング調査概要と結果からの課題について 〇庁内調査概要と結果からの課題について 〇今後のスケジュールについて 回数:第4回 開催日程:令和2年5月22日〜6月4日 主な議事:〇ヒアリング調査概要と結果からの課題について(追加報告) 〇施策の柱について 〇基本理念について 〇その他について 回数:第5回 開催日程:令和2年9月15日〜9月25日 主な議事:〇品川区スポーツ推進計画素案(案)について 回数:第6回 開催日程:令和2年10月29日 主な議事:〇品川区スポーツ推進計画素案(案)について 〇今後のスケジュールについて 令和2年12月1日〜12月22日 パブリックコメント実施 ※意見の数:11人17件 回数:第7回 開催日程:令和3年2月2日〜2月16日 主な議事:〇パブリックコメント結果報告 〇品川区スポーツ推進計画素案(案)の最終確認 〇今後のスケジュール 注)第4回、第5回、第7回は新型コロナウイルス感染症の影響により書面にて開催しました。 (p.88) 2.用語説明 英数字 用語:AI(人工知能) 説明:人工知能(Artificial Intelligence)の略称。人間の脳が行っている知的な作業を、コンピュータで模倣したソフトウェアやシステム。具体的には、人間の使う自然言語を理解したり、理論的な推論を行ったり、経験から学習したりするコンピュータプログラム等のことをいう。 用語:ICT(情報通信技術) 説明:情報通信技術(Information and Communication Technology)の略称。情報処理および情報通信に関連する諸分野における技術・産業・設備・サービス等の総称。 用語:IoT(モノのインターネット) 説明:モノのインターネット(Internet of Things)の略称。コンピュータなどの情報・通信機器だけでなく、世の中に存在するさまざまな物体(モノ)に通信機能を持たせ、インターネットに接続したり相互に通信することにより、自動認識や自動制御、遠隔計測などを行うこと。 用語:SDGs(持続可能な開発目標) 説明:持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の略称。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された2030年までに持続可能でより良い世界をめざす国際的に共通の達成目標。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っている。日本でも「SDGsアクションプラン2020」として行動計画を作成し、国を挙げて取り組んでいる。 用語:SNS 説明:ソーシャル・ネットワーキング・サービス(Social Networking Service)の略称。友人・知人等の社会的ネットワークをインターネット上で提供することを目的とする、コミュニティ型のサービス。 用語:Sport in Lifeプロジェクト 説明:国の第2期スポーツ基本計画に掲げられているスポーツ実施率65%の達成(新たに1,000万人以上のスポーツ人口の拡大)に向けて、「一人ひとりの生活の中に自然とスポーツが取り込まれる姿(Sport in Life)」をめざし、関係機関等が一体となり、東京2020大会のレガシーとして国民のスポーツ参画を促進するプロジェクト。 (p.89) あ行 用語:アウトリーチ 説明:「手を伸ばす」という意味で、支援を必要とする人のもとへ訪問等により直接出向いて支援を行うこと。 用語:ア−バンスポーツ 説明:広い場所を必要としない、個人が気軽に始められるなどの理由により、都市住民が参加しやすい都市型スポーツのことで、スケートボード・スポーツクライミング・パルクール・インラインスケートなどを指す。 さ行 用語:しなメール 説明:品川区が日々のくらしに役立つ情報や防災気象情報を配信している電子メール。 用語:人生100年時代構想会議 説明:「人生100年時代」を見据えた経済・社会システムを実現するための政策のグランドデザインに係る検討を行うために国に設置された会議体のこと。 用語:スポーツ・インテグリティ 説明:インテグリティとは高潔さ・品位、完全な状態を意味し、スポーツにおけるインテグリティは暴力やハラスメント、差別、ドーピング、八百長、違法賭博、団体ガバナンスの欠如等の不正がない状態を指す。 用語:スポーツツーリズム 説明:プロスポーツの観戦者やスポーツイベントの参加者と開催地周辺の観光とを融合させ、交流人口の拡大や地域経済への波及効果などをめざす取り組みのこと。 た行 用語:デジタルサイネージ 説明:店頭、公共空間などの場所で、ディスプレイなどの電子的な表示機器を使って情報を発信するメディア。 は行 用語:フレイル予防 説明:フレイルとは、加齢に伴い筋力や認知機能などの心身の機能が低下し、高齢者の健康な状態と要介護状態の間にある「虚弱状態」をいう。こうした状態にならないよう、フレイルの要因である身体的、精神・心理的、社会的要因に対する対策をとること。 (p.90) 3.アンケート調査の概要 (1)調査名称 品川区のスポーツに関するアンケート調査 (2)調査目的 令和2年度に予定している「品川区スポーツ推進計画」の策定に向けて、区民のスポーツの実施状況や関心などを把握し、品川区スポーツ推進計画策定の基礎資料を得ることを目的として実施しました。 (3)調査対象 @一般区民向け調査:満18歳以上の一般区民 A児童・生徒向け調査:区立の小・中・義務教育学校の5年生と8年生 (4)調査方法 @一般区民向け調査:層化二段無作為抽出法(地域、地点、対象者)によりサンプルを抽出し、郵送にて配付・回収 A児童・生徒向け調査:地域バランスを考慮して対象となる学校を選定し学校を通じて配付・回収 (5)調査期間 @一般区民向け調査:令和元年9月10日(火)〜9月27日(金) A児童・生徒向け調査:令和元年9月10日(火)〜9月30日(月) (6)回収数 @一般区民向け調査 配付数:2,978件 有効回答数:1,171件 有効回答率:39.3% A児童・生徒向け調査 合計 配付数:1,023件 有効回答数:983件 有効回答率:96.1% 児童(5年生) 配付数:511件 有効回答数:487件 有効回答率:95.3% 生徒(8年生) 配付数:512件 有効回答数:496件 有効回答率:96.9% 品川区スポーツ推進計画 令和3年4月 発行:品川区文化スポーツ振興部スポーツ推進課 〒140-8715 東京都品川区広町2丁目1番36号 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ 品川区民憲章 品川区は、東に東京湾を擁し、西にはるか富士を望み、国際都市東京の表玄関に位して、江戸の昔から交易の拠点となり、我が国文化と産業の発祥地として、あまねく都民の心のふるさとであります。 わたくしたちは、この輝かしい歴史と伝統を誇りとし、文化の香り豊かな近代都市への発展を目指して、ここに区民憲章を制定いたします。 一、 わたくしたちは、自由と平等を基本理念として、住民自治を確立し、進んで区政に参加します。 一、 わたくしたちは、心の触れ合いを大切にして、互いに人権を尊重し、人間性豊かな環境をつくります。 一、 わたくしたちは、古きよき歴史と伝統を守り、さらに生活文化を発展させ、これを後世に伝えます。 一、 わたくしたちは、自然を大切にして、生活との調和をはかり、健康で豊かな区民生活を目指します。 一、 わたくしたちは、自立と連帯の精神に支えられた、思いやりと生きがいのある地域社会をつくります。 制定 1982(昭和57)年10月1日 人権尊重都市品川宣言 人間は生まれながらにして自由であり、平等である いかなる国や個人も、いかなる理由であれ絶対にこれを侵すことはできない 幾多の試練と犠牲のもとに日本国憲法と世界人権宣言は この人類普遍の原理をあらわし人権の尊重が国際社会の責務であることを明らかにした 今日、我が国社会の実情はいまだに差別意識と偏見が人々の暮らしの中に深く根づき部落差別をはじめ障害者、女性、先住民族、外国人への差別などどれほど多くの人間が苦しんでいることか 人間がつくりあげた差別は人間の理性と良心によって必ずや解消できることを我々は確信する 平和で心ゆたかな人間尊重の社会の実現をめざす品川区は「人権尊重都市品川」を宣言し差別の実態の解消に努め人権尊重思想の普及啓発と教育を推進することを ここに誓う 1993(平成5)年4月28日 品川区スポーツ推進計画 2021-2030 令和3年度〜令和12年度